英単語 / 英語表現

「運賃」を表すfareの語源【なぜ動詞だと「やっていく」の意味?】

Hey guys. 代表Okadaです。

本日は駅で必ず見かけるfareです。

私はこれまで10年近く新幹線通勤をしていたのですが、最寄りとなる博多駅の新幹線口のホームから降りて改札を出る前の左手にFare Adjustmentとどでかく書いてあるので、fareという単語には常に「博多駅の」というフックがかかります。さて、英検1級レベルでは動詞の方が登場するのですが、これが「運賃」の意味からは想像できないと言われることが多いですので、語源をシャアしたいと思います。

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CNNの最新のニュースで動詞fareを確認

まず基本の意味や語源を確認する前に、コンテクストを実際のニュースで確認してみましょう。

2023年1月26日のCNNの記事です。オープンAIチャットボットのChatGPTにロースクール、ビジネススクールの試験を受けさせてみたら合格した、という内容です。一部を抽出しました。


ChatGPT is smart enough to pass prestigious graduate-level exams – though not with particularly high marks.

The powerful new AI chatbot tool recently passed law exams in four courses at the University of Minnesota and another exam at University of Pennsylvania’s Wharton School of Business, according to professors at the schools.

To test how well ChatGPT could generate answers on exams for the four courses, professors at the University of Minnesota Law School recently graded the tests blindly. After completing 95 multiple choice questions and 12 essay questions, the bot performed on average at the level of a C+ student, achieving a low but passing grade in all four courses.

ChatGPT fared better during a business management course exam at Wharton, where it earned a B to B- grade. In a paper detailing the performance, Christian Terwiesch, a Wharton business professor, said ChatGPT did “an amazing job” at answering basic operations management and process-analysis questions but struggled with more advanced prompts and made “surprising mistakes” with basic math.

ChatGPT passes exams from law and business schools, CNN, Jan 26 2023
US English, WPM143で収録(167 words)

さあ、どういった意味でしょうか?

難しい単語がないため、英検でいうと準1級程度の英語力で読める記事だと思います。全体が読めればなんとなく推測できませんか?なおfared betterで1つの決まった表現となります。

ChatGPT fared better during a business management course exam「ChatGPTはビジネスマネジメントコースの試験でうまくやった

fareの意味

それでは、fareの意味を確認しましょう。

fare   / feər /(「フェアー」) 

名詞
1 (交通機関の)運賃
bus fares「バスの運賃」, train fares「電車の運賃」, air fares「飛行機の運賃」
fare adjustment「切符精算所、乗り継ぎ精算」
2 (レストランなどの / 健康に良い)料理
delicious traditional fare「おいしい伝統料理」
3 (映画・テレビ・小説などの)作品
family fare「家族向けの作品」
Hollywood fare「ハリウッドの作品」

動詞
+副詞 やっていく
fare well「うまくやっていく」
fare badly「うまくいかない」
*副詞にはwell, better, badly, poorlyなど

「運賃」「作品」の意味以外ではフォーマルな文章を中心に使うので、会話で使ったり、カジュアルなメッセージで使わないようにしましょう。「料理」はとても古い感じ。「作品」もジャーナリズムのコンテクストで使いますので積極的に使わないようにしましょう。

この中で実際に使う機会があるのは9割くらいは「運賃」でしょう。

福岡空港まで運賃はいくらですか?えっと、国内線の方です」
What's the fare to Fukuoka Airport? I mean, the domestic terminal.

のようにセンテンスで覚えておくとよいでしょう。「福岡空港」を自分の目的地に変えるだけでOKですね。

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fareの語源はtravel

fareの語源

travel「旅する」

です。

「旅」-->「移動するのにお金がかかる」のように考えれば「運賃」への納得度は高くなると思います。

とはいえ、「運賃」の意味は語源でせめるより、bus fares「バス運賃」あるいは交通機関を使われている方ならよく目にする fare adjustment「チケット精算所、乗り継ぎ精算」で暗記してしまったほうが楽でしょう。ここでは動詞の「うまくやっていく」を覚えていくためのフックとして「語源がtravelだったんだ」という事実を活用します。

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動詞fare「やっていく」

travelは動詞で「旅する」「移動する」の意味です。

動詞のfareは「やっていく」(=get on)。同じように動きを表していますね。「うまくやっていく」と言えば「事が順調に『進む』」「順調に事が『運んでいる』」ことですから、travelの持っている意味あいをしっかり汲み取ることができます。

なお、名詞の「料理」の意味は、「運ば」れてきた料理の質や量に対してfare well / fare badlyといった評価を下したところから、というのが一説にあります。

fare well「うまくやっていく」, fare badly「うまくいかない」のように良い・悪いを示す副詞とコンビで使うのが動詞fareの特徴です。

farewell party「送別会」も動詞fareから

「送別会」はfarewell partyと言います。farewellは「別れ」という意味の名詞です。

あまりにもフォーマルで古いので日常会話で使わないでください。この古いfarewellが今も普通に使われるのがfarewell partyなんですね。

このfarewellはfare+wellからきています。

fare「旅をしなさい」+well「上手に」

です。別れ際に去っていく人に対して使っていたfare+wellが今も残っているんです。

改めて確認してみましょう

改めてCNNニュースでfareが使われているセンテンスを確認してみましょう。

ChatGPT fared better during a business management course exam.

最後に音声で腑に落としておきましょう

「ChatGPTはビジネスマネジメントコースの試験でうまくやった

fare betterの部分が「うまくやった」ということなんですね。

なお、fareの発音は「公平な」のfairと同じですが、動詞であれ名詞であれ、後ろにbetterやwellがついた時点で、これは動詞のfareだな!と思えばよいでしょう。

サンプル音声をはっきりとした英語で録音しましたので是非参考にしてください。

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