
Hey, guys. It's been a while.
日本の30代男性の中で最も多くの時間 K-ドラマ(韓国ドラマ)を観ている自信があるFukuoka English Gym代表のOkadaです。
英語学習を継続していく中でよく起きる心の叫び。
「こんなにたくさん勉強しているのに何で伸びないんだ?」
「半年も頑張ったのに伸びている感覚があまりない。むしろ後退しているような」
一度は経験したことがあるのではないでしょうか?
こういった思考が繰り返された時に思い起こしていただきたいのが、
累積学習時間と学習曲線。そして、プラトー効果という考えです。
学習時間をかけても伸びが実感できない原因
① 単純に学習の方法や方向性が間違っている
学習したことは「インプット」と「アウトプット」の両輪が組み合わさって定着していきます。授業やレッスンを受けただけでは肝心のアウトプットが抜け落ちた状態ですから、当然時間をかけたのに伸びない、ということが起きやすいと言えるでしょう。
英検対策のレッスンを受けた場合のインプット・アウトプット 例 ●インプット ①レッスンを受講する ②情報の整理をする ③見直しをして腑に落とす *③は厳密に言うとインテイク(Intake)というプロセスです。 ●アウトプット ①レッスンでの先生の説明を自分の言葉で再現しながら問題を解き直す【ここが学習の中心】 ②類題を解く ③過去問や模試を解く ④友人など他人に自分の言葉で説明する ⑤パッセージの音読 *⑤はインプットにもなります
科学データに基づき、現在一般的には「インプット」:「アウトプット」の黄金比は「3」:「7」と言われています。上記の「アウトプット」の①〜⑤のいずれもできていない場合は「7」が抜け落ちているということになり、頑張り損ということになりますね。
② 時間と成果が比例するという累積学習時間
学習者が一般的に思い込むのは「時間をかけるにつれて正比例で成果もどんどん現れていくもの」だということです。これは「累積学習時間」と呼ばれます。これが伸び悩みとどう関わるのか、対立する考えの「学習曲線」とともにみていきましょう。
累積学習時間と学習曲線
理想の思い込み:累積学習時間 vs. 学習曲線

上述したとおり、累積学習時間とは「時間をかければそれに比例して成績があがる」という思い込み、いわば理想像です。
実際には、ほとんどの場合は「学習時間」をとってから成績が上がり始めるまで変化がないように思える期間があります。その後、急激に成果が現れる。これが現実で、「学習曲線」と言われ、 y = X2 の軌道になります。
このギャップが私たちの目に見えない心理的ギャップを生み、「頑張っているのになかなか成果が出ない」という発想になるわけです。
さらに、学習し始めの最初の小さな伸びを感じ始める上記①では両者のギャップに比べて、加速度的に伸び始める一歩手前②のほうがギャップが広がるんです。つまり、理論上は、学習時間をかけまくった後のほうが自己嫌悪に陥る可能性が高くなると言えます。
ちなみに、加速度的な伸びに到達する期間はある研究によると、1.5ヶ月〜6ヶ月と学習者によって変化すると言われています。ですから、人によって耐えなければならない時期が半年にも及ぶ可能性があるということで、なかなかつらいですね。
ギャップの捉え方
アウトプットが適度にできていて、覚える暗記項目も地道に覚えるようにしている状況であれば、成果が上がらなかったとしても、次のように考えるとよいでしょう。
「4ヶ月も頑張ってきたのに成績が伴わない」 ➔「自分は学習曲線の停滞期が長いタイプかも。加速度的に上がるのはきっとこれから」 「当初より伸び悩んでいる気がする」 ➔「今加速度的に伸びる一歩手前かもしれない。もう少し頑張り続けよう」
科学的な背景を知った上でこういった発想ができると、心が少し軽くなり、モチベーションが少し高まりますね。
ところで、学習曲線に基づいて伸びた後にもプラトーという停滞期がやってくるという事実をご存知でしょうか?
伸びた後に定期的にやってくるプラトー効果

伸びた後に停滞期がくる
晴れて成果を感じられるようになり、数値としての結果が出た後は、そのままグングン伸び続けるかと言えば、必ずしもそうでないことが分かっています。スポーツの世界では「スランプ」という言葉がよく使われますが、これはたくさん練習してスキルアップをしていっても、ある期間突然伸び悩んだり、むしろ後退したような感覚に陥る時期です。私はサッカー・フットサルを長年やってきましたが、学生時代はよくこの現象に遭遇しました。もちろん外国語学習でも、何か先週より調子悪い日が続いているな、というのは未だにあります。
原因は「プラトー効果」です。
プラトー効果(Plateau Effect)

plateauはフランス語由来の語で「高原、台地」のことです。転じて「停滞期」を表すのにも使われます。
ある程度学習時間を確保し、伸びを体感的にも数値的に実感した後に定期的におとずれるのがplateauです。感覚的に調子が悪い日が続くなあという軽いものから、全く成績が上がらない、あるいは後退してしまっている、といった重たいものまで様々です。
理論上は、スポーツでも音楽でも学習でも、一定期間平坦に思える、伸びしろが感じられない時期は訪れます。ストレスを感じるというよりも次のような発想をするとよいでしょう。
【成果がしっかり出た後に、停滞期が訪れた】 ➔「あ〜、これが定期的に攻撃してくるプラトーか。ってことは、学習曲線の加速度的な伸びは通り過ぎたってことだな。よしっ。しばらく停滞しているかもしれないけど、どうせその後伸びが待っているから、今は守りに徹してメンタルの維持をして、前向きな気持ちで頑張ろう」
学習曲線の理論であろうとプラトーであろうと継続が鉄則
いずれにせよ、上述した理論は、「継続」が大前提です。学習曲線で最初の停滞期が6ヶ月かかってしまう場合は、6ヶ月も継続しなければいけません。つまり、モチベーションをどうそこまで維持するかが重要ですね。
オススメの方法は、他人を巻き込む、宣言をする、記録をとる、等様々あります。詳しくは是非下記をご覧ください。
最後に:学習習慣は1ヶ月で身につく=最初の1ヶ月を乗り切ろう
何かをやり始めてから約1ヶ月は何度も何度もやめたいという気持ちになります。
私ももちろんそうです。
初めてシャドーイングの練習を始めた頃は、1週間が経った後つらかったです。記録をとって頑張りを見える化したり、家族の前でシャドーイングをするようにしたり、友人と録音を送り合ったりといろいろな工夫をして乗り切った記憶があります。もちろん、何度も3日坊主になりました。3日続けて、1~2日休んでまた頑張るという感じです。
行動習慣は3ヶ月で定着すると言われています。以前超夜型だった生活を朝型に切り替えた時期は本当につらかったですが、今では超朝型になった(3時台起床)ので、自己紹介をするときは、"I'm a morning person."と自信を持って言えます。朝は眠っている間に脳内の情報が整理されクリアな状態なので、目覚めてから数時間は絶好の学習時間、学習のゴールデンタイムと言われます。
体質的な問題もあるかもしれませんが、夜ふかしをやめて1時間早く起きる習慣も学習にとって良い影響を与えてくれますよ。