Hey, guys. 代表Okadaです。
先日久しぶりに英検1級の2次試験の面接を受験してきました。
年齢的に第2回の試験日が必ず平日の祝日にあたります。祝日は関係のない仕事をしていますので、まずこの日程では受けられない。第1回と第3回もどうしても仕事と重複をしてしまい受験できずじまいでした。そういった意味でS-CBTのようにPC受験ができるようになればいいのにな、と思うこの頃です。
2021年第3回(C日程)に基づいて、資格試験の面接官経験のある私が流れを解説します。
1級面接の当日の流れ
0 受験会場
私は福岡市の都心部在住です。
受験ハガキを見る限り、大学と高校のサイクルが繰り返されています。
1 指定の時間に集合
おそらく30分前くらいから会場に入ることができます。
2 会場受付で受験者証を受けとる
下記を提示し、受験者証を受け取ります。
- 二次受験票
- 本人確認表(1次試験で利用したもの、免除の方はハガキで送付されます)
- 身分証明書
この受験者証はスマホ収納ケースにもなっています。控室に入室したら、デバイスの電源を切って収納するよう指示があります。これを首にかけます。
電源を切れば収納はバッグでもよいです。私はタブレット、スマートウォッチ、スマホを移動時にいつももっていますが、全てバッグにいれ、受験者証は空で首にかけます。
3 控室(教室など)で面接カードの記入
受付が終わったら、控室となる教室へ行きます。自由席ではなく入室順に案内される席につきます。
採点官も使用する面接カードの記入を求められます。同じものが2枚あり、左側が受験者用、右側が面接官が採点に使う項目(スコマをマークする形式)があります。項目はシンプルで、生年月日、氏名、電話番号下4桁、受験地番号、個人番号、性別のみです。
面接官側の記入項目はマークシート形式となっていて、採点項目の、
1 Short Speech
2 Interaction
3 Grammar and Vocabulary
4 Pronunciation
がそれぞれ5段階評価できるようになっています。2名分あるため、1名で5 points☓4 ですから、各項目のフルスコアが10, 10, 10, 10となります。
上述したとおり、この時にデバイスは電源を切ってしまうように指示があります。
4 待機(受付順に4人ずつ呼ばれる)【スマホ・タブレットは勉強に使えない】
私の会場ではいつも、きた順に4人ずつ呼ばれます。
待ち時間はきた順ですので、遅く行けばいくほど、待ちが長くなります。以前(学生時代の都内の話ですが)受験者が非常に多い回の時に、1時間30分待ったこともあります。
この待ちの間にタブレットも含めてデバイスは使用不可です。私のようにデジタルデバイスで学習するタイプの方は、直前にチェックする用に必要なものは事前にプリントアウトしておきましょう。忘れてしまうと、時間がもったいないですよ。紙書籍を使っている場合はいつもどおりで大丈夫です。
私は受講生向けにレッスンに使用している頻出トピック・難トピック一覧をプリントアウトしておいて、自問自答形式でテストをして過ごします。不安なものは書き出して情報を俯瞰し、もしこのトピックがきてネタに困ったら、このネタで逃げよう、といった最終確認をします。
5 面接教室の前に呼ばれる
4人ずつ呼ばれ、4教室の前のチェアにそれぞれ座るように指示があります。つまり、同時に4人が面接試験を受けていくんですね。
呼ばれるタイミングは、前の4組が面接室に入室したタイミングだと思います。ですから、教室前での待ち時間は7分程度だと思います。
この時も紙媒体のものをチェックしたり書いたりすることはできます。
直前になると、その教室のタイムキーパーの方が受験票のチェックにきます(この時私の場合はいつも面接カードが回収されます)。
6 入室(教室内の配置)
入るとすぐに"Hello"や"Morning"と言われるので、チェアに着く前にあいさつをしましょう(お互いに雰囲気が良くなりますよ)。
次のような配置となります。面接官のメインは外国人。日本人の面接官は(私の場合は)メモをとられており、最後のQ&Aのパートで外国人面接官の方が質問した後に、続けて質問してくださります。面接官1で話が盛り上がった場合は、面接官2に行き着かない場合も普通にあります。
着席後、面接官2名(英語圏、日本人)が自己紹介し、その後、自己紹介を求められます。
緊張しているのは面接官も同様です。私は資格試験の面接官経験がありますが、マニュアルに沿って質問をするレベルより、相手の言ったことに基づいてフォーマルな質問をすることのほうが圧倒的に難しいです。面接する側も的を得た質問をしなければいけない、というプレッシャーは少なからずあると私は思います。
ですから、最初の自己紹介では必ず笑いをとれる内容にしています。これがアイスブレイクとなり、互いに和やかな雰囲気の中で行うことができる、と思っていますし、実際にそういうふうに感じています。
7 試験のメイン
トピックカードを表にし、1分間の選択時間が与えられます。
メモはとることはできないので、本番前日までの練習段階でメモをあえてとらない練習も組み込むことも癖付けしておきましょう。
その後、選んだトピックを何番にしたかが尋ねられるので、答え、「どうぞ」といった感じの声がかかると、2分間のスピーチが始まります。
トピックの選択が一番緊張します。5つのうち、しっかりと出題されるトピック(社会系、文化系、政治経済系、環境系、テクノロジー系)の準備をしていれば、1つくらいは考えたことのあるものと近いトピックが出現しますので、焦らないでください。
この時に、改めて事前準備が本当に大切だっただな、と痛感させられます。
これでいく!と決めた後に頭が真っ白になることもありますが、落ち着いて考えると、残り4つのトピックがサポートに使えたりすることもあります。私は本当に浮かばない!となった場合にはこのネタで打開する!というものがあります。そういったものは準備必須だなと思います(私の場合、「少子高齢化に関わる問題」「多様性」「エコ」「政府と援助・補助(発展途上国の支援も含む)」で発展させられるネタを用意しています)。
終了後、スピーチに絡んだQ&Aが4分間。最初に受験生が述べた内容に対する直接的な質問。後半選んだトピックに関連したテンプレートのような質問が続くこともあります。
上述したとおり、(私のように一言が長めの場合)あっという間に4分間たち、質問はわずか2つ、ということもあります。
基本的にスピーチの矛盾を指摘されますので、「なんでこいつ否定的なことばっかりしか言わないの?」って思わないでください。学生時代はそんなふうに思う時期もありました。試験ですから、そういった指摘に論理的に反応できるかを見ているんですよね。
あと忘れてほしくないのは、面接官のネガティブな指摘は一旦認める、ということです。That's a good point, but ...のように。スコアリングの項目にはInteractionがありますから、面接官としてはその部分での評価は上げたいという気持ちになります。
採点基準となる項目
採点基準となる項目は4つあります。
項目 | 詳細 | スコア |
---|---|---|
Short Speech | 与えられたトピックの中から 1 つを選び, 論点 とその根拠をまとめ, 首尾一貫したスピーチを組み立てている。 | 10 |
Interaction | 面接委員とやり取りの中で, それぞれの質問に対して臨機応変に応答し, 会話を継続している。 | 10 |
Grammar & Vocabulary | 幅広い範囲の語彙・文法を正確かつ適切に運用 できている。 | 10 |
Pronunciation | 発音・アクセント・イントネーション | 10 |
私の受講生の中には、Short Speechがぼろぼろだったけれど、InteractionとPronunciationで稼ぎまくり合格した方がいます。受験終了後、「緊張して真っ白になりました。すいません、今回は落ちました」と言われたのを今でも覚えています。結果は合格で、強みで逃げ切る、ということもありうることを実感しました。1級レベルになるとさすがに、Short Speechを捨てる、という考え方はないと思いますが、ボロボロだったとしても、そこでしっかり切り替えをし新しい試合と思ってInteraction部分にのぞんでいけば、合格可能性が増すんだな、と感じています。
1次試験合格後の2次試験のチャンスは3回
なお、2次試験に不合格の場合も、あと2回1次試験の免除の権利があります。
最後に
今回改めて、本番は多く経験したほうがいいな、と感じました。
資格試験のSpeakingではTOEIC SWを2ヶ月に1回受験するというのをルーティンにしていますが、やはり対面での面接での圧はPCベースと違いますし、同じ面接官の方と再び対峙し成長度を感じたり、自分の意見に基づいた予測もできない質問がくることもあります。
そういったプレッシャーがかかった中で頭をフル回転させ、相手も納得できるリスナーファーストの答えを用意する。これは自己練習では難しいものです。
次回はいつ受験できるか分からないですが、年3回の1次試験は毎年受験しているので、次のチャンスでは今回の課題がきっちり修正できた上でさらに高いスコアを目指していきたいと思います。
また、事前準備がかなりものを言います。これは声を大にして伝えたいです。
5つのトピックの中には必ず少しは考えたことのあるトピックが登場します(逆に登場しないのであれば学習方法が合っていないかもしれません)。この時に、スムーズに構成を検討する作業はインプットした量が多い人ほどスムーズにいきます。例えば、地球温暖化に関連するトピックが出題されたとして、「宇宙開発は、地球温暖化の中2070年までには人類の3分の1の居住地がなくなるため、有益だ」といったことを考えたことがあるとします。地球温暖化は宇宙開発とリンクさせて語ることができますね。是非オリジナルのネタ帳を作成して会場に乗り込みましょう。