Hey guys. Fukuoka English Gym代表Okadaです。
英検1級合格者であり、4技能のスペシャリストとしてのお墨付きTOEIC IIBC AWARD OF EXCELLENCE受賞者である私がS-CBTに関してよくある質問に対する回答をしていきます(Okadaプロフィールはこちら)。
実は英検1級は年3回受験しています。もう15年以上。準1級や2級も何らかの変更が加えられた際は受験しています。S-CBTの試験ブースの両サイドが受講生に挟まれたこともあります。ケンブリッジ英検、TOEICSWなど様々な試験も含めて、実際に受験しているからこその視点をふんだんに盛り込んでみました。
S-CBTと従来型の大きな違い
Speakingまで含めて1日(数時間)で完結
S-CBT | 従来型 |
---|---|
Reading, Listening, Writing, Speakingを同日受験 | 1次試験:Reading, Listening, Writing |
ー | 2次試験:面接(Speaking) |
従来型では1次試験に突破しなければ、Speakingに進めませんでした。S-CBTでは同日にSpeakingがあるため、万一不合格だったとしても、そこで得た本番での体験が次の試験に活きます。負担感が大きいという意見も多いですが、英語は4つの技能が相互に絡み合って総合力が上がっていきます。特に、インプットスキルであるListeningのアウトプット版がSpeakingですので、この対策が含まれるのは相乗効果でListening力も高められる。
試験の順番が違う
上述したとおり、Speakingも含まれます。また、PC受験という特性上、順番も異なります。
【S-CBT】 1 Speaking ➔ 2 Listening ➔ 3 Reading / Writing
最初にSpeakingから始まります。操作の差で誤差がありますので、周りの声が聞こえてきます。ちょっと先に進んでいる受験生のネタが聞こえてきてそれを参考にした、という受験生もいれば、周りがうますぎて圧倒されてパフォーマンスが発揮できなかった、という方もいます。その後、Listening。最後がReadingとWritingで、これはどちらから先に責めても大丈夫です。
【従来型(1次試験)】 1 Reading / Writing ➔ 2 Listening
従来型の利点は、Reading / Writing Partを終わらせた時点でListening Partの先読みができてしまう点です。私自身受講生に、特に準1級を受験する場合は、R/Wが終わった時点で休憩するのではなく、Listening Partの選択肢分類やキーワード決定をどんどんしておくように指導しています。一方、S-CBTではその作業ができないという点には注意が必要です。
音声明瞭なヘッドフォンでリスニングが聞き取りやすい
従来型の場合、会場によっては前列を確保しないと聞き取りがかなりつらい場合があります。反響してこもった音になる場合もありますね。S-CBTの場合はヘッドフォンで音量調整できますから、かなりクリア聞き取りやすい。AirPodsなどでノイズキャンセリングに慣れている現代人にとっては、従来型のスピーカーからの音声は聞きとりづらいケースも多いです。
私の受講生の中で、(難易度に差はあったのでしょうが)従来型とS-CBTのListeningのスコアに歴然とした差が現れた受講生がいました。従来型10/29、S-CBT23/29でした。大学の大教室での受験で後列に座っていたとのこと。 実は最近(2022年6月5日)私自身も同じ現象がありました。大学の大教室(150人くらい収容)で最後列に座ったところ、恐ろしいくらいに聞こえない。同じ列のベテラン陣(=毎回受験しているよく観る方々)も何度か指摘したくらいでした。順応するまで6問くらいかかり、1級満点を目指して受験していた今回は「おわた」と内心。結果的にはListening Partは満点だったものの、こういった事態は15年以上受験していて3年に1回あるかないかくらいですが、すぐに受講生に席位置のアドバイスは改めてし直しました。この点、S-CBTはかなり大きなアドバンテージがありますね。
Speakingはコミュ障にはうれしい録音形式・残り時間も表示される
特徴 | S-CBT Speaking | 従来型面接 |
---|---|---|
形式 | 録音(マイクに向かって吹き込む) | 面接官ありの双方向型 |
入室後のSmall Talk | マイクの音声チェックを兼ねてただ録音 | 面接官が質問し掘り下げられることもある |
聞き取り | 音量調整ができさらにはっきりした発音のため聞き取りやすい | 面接官によっては癖があり聞き取りづらいこともある |
制限時間 | タイムゲージが表示されきっちり終わる 【準1級:Narrationは2min, Q1-Q4は各40sec】 | 持ち時間(左記)は決まっているが面接官の裁量が働く |
聞き返し | もう一度聞くボタンを押すだけ (2回押せますが1回までと心得ておきましょう) | Could you say that again? など (聞き返し方さえもスコアリングの対象になる) |
Attitude(態度) | 適度に大きな声・制限時間をしっかり消費しているか | 受け答えやビジュアル的な部分の影響も出る |
残り時間が表示されるというのが最大の利点です。本当にこれはおいしい。時間が余り過ぎるな〜と感じれば、そのままさらに付け足していくこともできます。事前対策の時も常に時計と一緒に練習しましょう。
性格的な面でも向き不向きがあると思いますが、対面式だとどうしても緊張して話せないという方の救世主がS-CBTです。ただ録音するだけですから。
チェックするだけよい
マークシートを塗りつぶす手間は地味面倒ですが、S-CBTはチェックボックスをクリックするだけです。時間の省エネができてサクサク進めることができます。
終了後退出できる
早く終わってしまえばその時点で退出できます。上位者にとってはありがたいです。待ち時間も少なく、早く退出できるという時間的コスパがすごい試験です。
実際の画面表示のされ方
それでは実際の画面表示のされ方を公式の体験版とともに確認してみましょう。
Speaking Part(面接)
最初にWarm-upとして2つのカジュアルな質問が再生されます。
ここで自分の録音された声が正しく聞こえるかのチェックもすることになります(採点対象にならないパートですので、しっかり声を出して調子を整えてください)。
黙読パートの表示のされ方
はっきりと画面に表示され、従来型と同様にとても見やすいです。
Listening Part
リスニングは書き込みはできないが右側のパーツから先読みはできる
ふだんからリスニング問題で選択肢分類をしたりキーワードの決定をしたりしている受験生の方にとってはS-CBTはつらいかもしれません(ただし書き込みなしでもできるようにする! というきっかけになるかもしれませんね)。
選択肢への書き込みはできないですが、事前に渡されるライティング用のメモ用紙を使用して、キーワードを軽くメモっておくという手法は可能です。
自信がない場合は「目印をつける」にチェックをいれておける
この「目印をつける」は見直し効率を抜群にあげてくれます。後に何問見直さないといけないかが、右側で一覧にされるため、常に全体のマネジメントができます。リーティングパートでもありますが、これは本当に使い勝手がよいです(ただし、リスニングではおそらく使うことはない方が大半だと思います)。
Reading Part
Reading Partはこんな漢字
「あとで見直す」は健在です。残り時間も常時表示されて分かりやすいですね。後述する長文パート以外は書き込みはできません。
右側のパーツで行ったり来たりできる
右側のパーツで全てのマネジメントができます。Listeningと同様、「あとで見直す」対象があれば自動でチェックが付与された状態になるため、常に全体像が把握できるのがよいですね。
唯一長文パートでは書き込みができる【マウス操作で、赤ペン、ハイライト、消しゴムが使える】
実際に公式の体験版で赤ペン、マーカー(=ハイライト)を使用してみました。書き込みがないと読めないタイプに方にとってはありがたい機能ですね。マウス操作ですので、細かい構造分析は厳しいでしょう。チャンクリーディングをする方ならスラッシュくらいは容易です。
Writing Part
タイピング形式で申し込みの場合(事前に紙形式で申し込みできます)
字が汚い方にとっての救世主ですね。また、書くよりもタイピングの方が当然速いですから、PCなどに慣れている方にとって時間が大幅に節約ができるでしょう。
【タイピング形式の良い点】 1 常に語数が表示される 2 コピー・アンドペーストができる
試験本番のことですが、タイピングの音がかなり響きます。古い学校にあるようなキーが高めキーボードですのでカチャカチャ音がかなり鳴ります。Reading中にWritingから先に解く受験生がいる場合、気が散って内容が頭に入ってこなくなるかもしれません。その場合は、ヘッドフォンをする、一旦Writingに切り替える、という2点がオススメです。