Hi guys. トライリンガルOkadaです。
2017年にこちらのウェブサイトを立ち上げてから、今回始めての英検準2級ネタです。
問題(2022年度第3回英検2級)
●あなたは、外国人の知り合いから以下のQUESTIONをされました。
●QUESTIONについて、あなたの意見とその理由を2つ英文で書きなさい。
●語数の目安や50語〜60語です。
QUESTION
Do you think libraries should have more book events for children?
理由2つの50~60語という条件なら5センテンスを目指す
設問条件は自分の意見、そして、理由2つ。語数は50-60語です。
理由を1つ述べたらそれを少なくとも1センテンス使って肉付けするのが英語のエッセイライティングですから、次のような構成で書く必要があります。
センテンス1: 自分の意見
センテンス2: 理由1
センテンス3: 理由1の肉付け
センテンス4: 理由2
センテンス5: 理由2の肉付け
1センテンスあたりの平均語数が10くらいの方であれば、これでおよそ50語くらいになります【ぜひ一度ご自分の1センテンスあたりの語数を計算してみてください】。平均語数が8くらいの方の場合は、最後に「センテンス6:結論」をつけてしめれば、約50語くらいなるでしょう。
マインドマップ サンプル
トピックは、「図書館はもっと子供向けの本のイベントを開催すべきか」。
3分間でマインドマップを作成しました。どうしてもネタが浮かんでこなければ、こうやってツリーを広げて行く中で、「あ、これを理由1にして、肉付けはこれでいくぞ」といったものが浮かんできやすくなります。
【マインドマップから得られる観点サンプル】 理由1: 子どもの読書量が増える可能性が高い 肉付け:図書館に行く機会が増えるから 理由2: 共感力の高い子どもが増える / 創造力豊かな子どもが増える 肉付け:研究によれば読書によってそういったスキルが身につくと言われている 理由3: 視野を広げることができる 肉付け:様々なタイプの子どもと知り合うきっかけになるから 理由4: 高齢者の健康に良い 肉付け:子どもと関わることで孤独感が軽減できる 理由5: 本屋さんの利益増 肉付け:本を読む習慣ができれば本屋さんに行く可能性が高くなる 理由6: 地域が活性化される 肉付け:図書館はコミュニティセンター的役割を担っているから
アウトライン(構成メモ) サンプル
T | 賛成 |
S1 | 本を読む子どもが増える |
S1' | 図書館に行く機会が増えるから |
S2 | 視野を広げることができる |
S2' | 違った考えを持つ子どもと知り合えるから |
Model Answer 解答例
More book events for children should be held in libraries for the following two reasons. First, more and more kids are enjoying reading books, primarily due to having increased access to libraries. In addition, such book events can broaden their minds as children have the opportunity to make new friends who may have different ideas.
(55 words)
【この解答の良いところ】
・テンプレートを使っており、また、Discourse Markerもあり、展開がはっきりしている(採点しやすい)
・1つの理由につき2センテンスも肉付けがある【1つの理由につき最低1つは肉付けが必要ですからね】
出だしは、エッセイライティングの基本として、与えられたトピックやクエスチョンはパラフレージングする(=言い換える)というものがありますので、More book events for children should be held in libraries. と言い方を変えています。1級ではおなじみの手法ですね。ただし、準2級にはそこまでは求められませんので、ただコピーアンドペーストで問題ありません。
賛成なら
Libraries should have more book events for children.
で冒頭を始めればよいだけです。英検協会の解答例のように I think that libraries should have more book events for children.としてもよいでしょう。
ライティングの基本ステップ
STEP 1 Brainstorm(ブレインストーミング)【1-3min】
Mind Mapping(マインドマップ)などでアイデアを引き出し、広げる。
↓
STEP 2 Outline(アウトライン/構成メモの作成)【2-4min】
●自分な必要なセンテンス数で日本語で軽く流れをメモし、一貫性の確認
*1つの理由につき、最低1つの追加説明をする【=肉付けをする】ことを忘れないように
↓
STEP 3 Writing(Outlineを見ながら書く)【50-60語なら10-15min程度】
●アウトラインを見ながら英文に落とし込んでいく
↓
STEP 4 Check & Correct(見直しをする)
●冠詞、単数複数、SVの数一致、品詞などグラマー方面のエラーの有無の確認
STEP 3の最中に語数が足りない、という現象が起きたら、アウトラインのメモを見て、どこに何を追加するかを検討しましょう。逆に不足する場合は、何を削るかもアウトラインで考える。この構成メモが全ての司令塔になるんです。エッセイライティングは準備でほぼ決まると言われますが、この準備がSTEP1と2なんです。
英検準2級用のテンプレ
全体の流れ
主張 for the following two reasons. / 主張. There are two reasons for this.
↓
First, 理由1. 肉付け1.
↓
Second, 理由2. 肉付け2.
*もし、結論を書けるだけの語数余りが発生した場合は、
For these reasons, 結論【=主張を一部パラフレージングする】.
意見/主張
Topicのセンテンスを流用【ハイスコアを目指す方は一部パラフレージングする】
「〜すべきだ」→ S should V.
*英検協会の解答例のように、I think that S should V や I don't think that S should VでもちろんOKです。
サポート(理由・例)
「1つ目に」→ First, S V.
「1つ目の理由は」→ One of the reasons is that S V.
「2つ目に」→ Second, S V.
「2つ目の理由は」→ Another reason is that S V.
「さらに」→ In addition, S V.
「なぜなら〜だからだ」→ This is because S V./The reason is that S V.
「例えば」→ For example, SV./For instance, SV./A[名詞]such as B[名詞]
結論
「これらの理由から」→ For these reasons, S V.
なお準1級や1級を今後目指す方は、ゆくゆくは次のような表現も使いこなせるよいですね 【理由・例(Body)】 ・「1つ目に」→ First of all,【通常3つ以上の列挙する際に】 / In the first place, ・「2つ目に」→ In the second place, ・「1つ目の理由は」➔ The first reason is that SV. ・「2つ目の理由は」➔ The second reason is that SV. ・「例えば」(名詞→名詞の場合)➔A , including B →カジュアルなセンテンスなら A like BでもOK ・「つまり」➔ …. This means that SV ….【非常に論理性が高まるオススメ表現】 【結論(Conclusion)】 ・「結論として」 ➔ In conclusion, / Therefore, *In conclusion,はかなりフォーマルなためカジュアルな内容の結論には不自然 ・「これらの(2つの)理由から」➔ For the (two) reasons mentioned[stated] above, ・「これらの観点から」➔ For these viewpoints, ・「〜することを提案します」➔ I suggest that S V[=should do / do] ・「〜を望んでいます」➔ I hope that S V ・「〜は妥当だ」➔ It is reasonable that S V →Conclusionは再主張だけでなく「提案・願望」などをおくこともできます。 *パラグラフを分けた場合、例えば、4パラグラフなら、パラグラフ1をIntrodution, パラグラフ2-3をBody[またまMain Body], パラグラフ4をConclustionと言います。
本質的なエッセイライティングの考え方
詳細はこちらをご覧ください。
最後に:図書館は地域の活性化と子ども創造力・共感力を伸ばす場
図書館は今やコミュニティセンターのような役割を果たしています。ダンススタジオやイベントホールが併設されており、地域の人同士がつながりを持てる場所になっています。少子高齢化の今、家族の形態が変わり、高齢者は他者や家族とつながる機会が減り、孤独感を抱えるケースが増えています。そんな中、高齢者が参加できるワークショップなどを図書館の建物で開催し、人とのネットワークを広げる機会をもつ。若者にとっても自分には知恵や考え方を知るきっかけにもなり、広い視野をもつことができるようになります。
そして、もう一つ。読書は共感力・創造力を高めるのに非常に効果が高いということがわかっています。これらのスキルは多様化する現代の中で変化のスピードが激しい社会で必須とされている能力です。例えば、物語を読んだ場合に、登場人物への感情移入をします。自分とは違ったキャラクターに入り込めば、その人がどのような気持ちになるかが理解できるようになります。違った視野が持てるから、クリエイティブな頭を養うこともできます。
私は、子どもの頃から読書と映画・ドラマが大好きでした。その中で人の心理はかなり学んだと思います。「こういうふうに言われたら、自分だったら嬉しいのに、この性格の人なら嫌な気持ちになる」といったことを物語の描写の中で理解してきました。まだまだ視野が狭く空気が読めない部分は自分の中に多いですが、人よりも周りを見ているし、その人の感情を俯瞰する努力はしています。
私見ではありますが、少子高齢化社会の中での人とのつながりを生み出す場、変化の激しい時代に対応できるスキルを育ててくれる場。それが図書館だと思います。そこにきてもらうにはイベント開催が効果的だし、それによって読書をする習慣を身につけるきっかけになりますね。