資格試験

英検の問題形式が2024年度よりリニューアル【要約問題/Eメール問題の追加】

2023-07-06

Source:英検協会ウェブサイト

Hi. 元経営者で現在教員をしているトライリンガルOkadaです。

本日英検協会より英検の問題のリニューアルがアナウンスされました。15年以上毎年英検を受験しているいち受験生としては、他の資格試験が現代求められているスキルを測定できるように作られたり改定されているのに対して、英検の問題は単純な知識で解けたり、テクニックでハイスコアがとれたりする側面があったので、ようやく変えてくれるのね、という印象です。高校では思考力・判断力・表現力を養成できるように言語活動を中心にレッスンが展開されているので、より学校のレッスンが重要になってきそうだ、と感じています。

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リニューアルの対象級:1級・準1級・2級・準2級・3級【Writingが目玉】

1級から3級でリニューアルされます。

英検協会ウェブサイト

今回の改訂での目玉はおそらくWritingパートとなるでしょう。

とはいえ、全体的に目をひくような大幅改訂はなく、他の資格試験に追随しているといった感じです。

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Listening Part

リスニングの問題には一切変更なしです。

Reading Part(3級は変更なし)

1級・準1級・2級・準2級:

語彙問題と長文問題の設問数を一部削減

1級については、語彙パートがもはや暗記ゲーという批判は昔からあり、語彙パートで落としてもライティングで逃げ切れる、というのも受験生あるある。私も大学生の時に初めて1級に合格した時はまさにそれでした。これだと結局4技能をバランスよく鍛えられないですから、削減には賛成。一方で、1級レベルの語彙を習得することは、日常でもビジネスでも大いにあるので、どの程度減らされるのかが気になります。

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Writing Part【従来の意見論述 + 要約 またはEメール】

2023まで2024から
1級・準1級・2級1題 [意見論述]2題[意見論述]+[要約]
準2級・3級1題[意見論述] 2題[意見論述]+[Eメール]

1級 Writing 要約問題サンプル(Source:英検協会)

準1級・2級 Writing 要約問題サンプル(Source:英検協会)

準2級 Writing Eメール問題サンプル(Source:英検協会)

3級 Writing Eメール問題サンプル(Source:英検協会)

Speaking Part(準1級のみ)

準1級のみ下記の変更があります。

No. 4(受験者自身の意見を問う質問)に導入文が追加

準1級 Speaking 問題サンプル(Source:英検協会)

変更に合わせて準2級と3級は試験時間が延長

2023まで2024から
準2級75分80分
3級50分65分

英検1級・TOEIC満点からの印象

1級・準1級の要約ではパラフレージングが求められる

大学受験と同様に、英語のパーセージを英語でサマライジングする際は、パラフレージングが求められますが、1級・準1級については、サンプル問題の条件に明示されています。

2級については謎ですので、今後採点基準サンプルや方針がリリースされることを期待しています。高校のレッスンで要約を扱う際は、「そのまま抜き出しはNG」という姿勢を一貫しています。おそらくほぼ全ての教員がそうだと思います。それが思考力・判断力・表現力を鍛えてくれますからね。だから、2級も採点を緩めず、しっかりとした基準を設定してほしいですね。

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準2級・3級のEメール問題: 横浜国立大の第4問やGTECのような出題

Eメール問題は大学入試で言うなら、横浜国立大の第4問(Eメール)の語数を少なくしたような出題です。GTECのWritingと言ってもよいですね。TOEIC Writingのような感じでもあり、真新しい形式ではないため、対策は非常にしやすいでしょう。

2024年横浜国立大・第4問

GTEC Advanced Writing 公式サンプル (Benesseウェブサイト)

こうやってGTECのような他の資格試験と比較してみると、面白いなと思います。GTECの方がイラストも入り、思考力がより問われるレベルになっているんですね。

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リニューアル一発目の2024年度第1回に向けて教員としてできること

高校教員としては、これまで以上に日々のレッスンの中で「言語活動」を意識させることが重要だと思いました。ペアやグループの中で表現力を鍛える過程で、SpeakingやListening力は身につきます。教科書のパッセージをパラフレージングさせながら要約させる活動をし、それを発表させれば、Writing対策とSpeaking対策が同時にできます。

私は元々英語スクールをやっていましたので、テクニックを教えることは得意ですが、それよりも、日々の授業を生徒たちにしっかりと活動させ、定着をさせていくことが、ハイスコアへの一番の近道だと思います。

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