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Kドラマ "Money Heist: Korea – Joint Economic Area" (2022) 【トライリンガルが評価】

2022-12-13

netflix.com

Hey guys. KドラマフリークのOkadaです。最近はもっぱらKドラマでシャドーイングをしています。

先週はスリラー系ドラマの"Somebody" (2022)を全エピソードを視聴し終わりました。ストーリーや主演女優さんには入り込めなかったですが、キムヨングァンさんの演技力が半端なくて圧巻でした。作品によってこれほどの振れ幅が出せるのって本当にプロの技術。自分もプロフェッショナルの意識をもっと持たなければ!と感じさせられました。

さて、先週末よりPart 2[Season 2]が配信されたMoney Heist: Korea - Joint Economic Areaを視聴完了しました。

1エピソードの時間は長いですが、展開がポンポンとテンポよく進んでいくので、次はどうなる?!という気持ちなり、ビンジウォッチングにぴったりの作品でした。

"Money Heist: Korea – Joint Economic Area"

Money Heist: Korea – Joint Economic Area

韓国版

2022年6月よりクライム系のドラマです。12月9日にPart 2[Season 2]が配信され終了となっています。国際Emmy賞を受賞しているスペインの人気ドラマが原作となっているため、ストーリーの良さは折り紙付きとなります。

2025年韓国と北朝鮮が統一されることになった。準備段階としてJEAという経済協力をするための実証実験をするための地域が開発される。そこには統一通貨をつくる造幣局が設置されていて、"Professor"が指揮する強盗集団8人がその統一通貨を狙って侵入する。

強盗集団のメンバーは北朝鮮と韓国の中でも腕利きの犯罪者たちが中心。互いの身元を明かさないために、お互いを地名で呼ぶ。

 Berlin[刑務所からの脱獄犯]
 Tokyo[北朝鮮の軍人出身]
 Moscow[元炭鉱夫]
 Denver[Moscowの息子]
 Nairobi[詐欺師]
 Rio[元医学生のハッカー]
 Helsinki[組織犯罪集団出身]
 Oslo[組織犯罪集団出身]

強盗の条件は誰も殺さないこと。そこに隠された強盗の狙いがあります。元大学教授のProfessorとロマンスの相手である交渉人の頭脳戦。

原作のスペイン版

レビュー / 評価

原作と違い、北朝鮮と韓国の統一という設定がリアリティを感じさせてくれ、先が読めないProfessorの巧みなプラン、そして、それに応酬する交渉人の頭脳が圧巻でした。Kドラマ定番の政治利権が絡んだ内容、さらには両国の統一によって恩恵を得るのは富裕層だけで、貧困層は苦しみ続けているという、富裕層 VS貧困層という現在の韓国社会の縮図にもなっていて面白かった。犯罪者目線でのストーリー展開というのもいいですね。真の目的が理解できてからは "Professor頑張れ〜"という犯罪者を応援する気持ちが芽生えてきたし、捉えられた人たちも同じように犯罪者たちと仲間意識をもつようになります。

トライリンガルの評価

総合★★★★★
ストーリー★★★★★
キャスト(俳優、演技力)★★★★★
OSTN/A
映像効果★★★★★
社会性(財閥など)★★★★★
トキメキ★☆☆☆☆
サブタイトルは英語学習に最適か★★★★☆

キャラの濃さ

それぞれの犯罪者のキャラクターに個性があり、誰か1人に感情をいれることができると思います。個人的にはDenverのカッコよさが際立っていました。そして、Tokyoかわいい。これだけで満足です。Part 2[Season 2]から登場したSeoulも抜群のかわいさでした。Berlin演じるパク・ヘスさんの演技力は本当にすごかった。Squid Gameとはまるで別人で、この振れ幅ってどうやったら出せるのか、教えてほしいです。

映像の美しさ

カメラワークがもはやドラマとは思えないクオリティーでした。映画を観ているかのような。最近のKドラマでいうと、VinchinzoやVagabondのような雰囲気でした。

ストーリーの振り返りがあり種明かしがされる(展開の読めなさ)

死んだのか、死んでいないのか、といった視聴者からするとどっちなの?というシチュエーションで、実はX時間前にこんなことがありました〜、という種明かしがあり、伏線回収があります。このパターンは最近のクライムドラマで多いですが、全体のテンポに緩急ができよりドラマに入り込みやすくなりますね。中毒性が高いです。設定としてProfessorが立てているプランが最悪の最悪まで想定されていたのがすごかったです。

犯罪が成功するのかしないのかは最後のepisode 12まで本当にわからなかったです。

結束と想い

犯罪者同士の結束と裏切り、犯罪者と人質の結束。こちらはリアリティーを感じることができ、仲間といることの強さを改めて実感しました。さらに、犯罪者それぞれには、Professorも含めて、隠された想いがあり、それがわかると全てを許してしまいたくなります。

ロマンスはよくなかった

大きなロマンスが2組ありますが、犯罪者と人質のロマンスはほぼ全く共感できませんでした(ストックホルム症候群を描きたかったのか)。それははやすぎだろ!と思わずツッコミをいれちゃいました。このドラマのメインとなるロマンスも、中盤あたりからクライマックスが予想できたので、もう1エピソードくらいでうまく描きたかったです。

英語学習に向いたサブタイトルか

ちなみに、英語タイトルのMoney Heistのheistはアメリカ英語「銀行強盗」のことです。

まずサブタイトルに難しい英語は一切なく、中学〜高校での英語で十分に対応できます。ところどころに犯罪者が使うスラングもあり、そういった表現も学べるかもしれません。

ストーリーが面白いのでどんどん進められますが、1エピソードが70分くらいあるため、反復学習には向いていないですね。また、犯罪や政治に関わる表現がかなり出てくるので、日常会話に適用したいという方は英語学習としての鑑賞は避けたほうがよいでしょう。非日常の場面での語彙力も磨きたいという方にはオススメですよ。

それよりもこれほど頭を使わせてくれ、ビジュアルの満足度も高めてくれるドラマの制作陣、俳優さんに本当に感謝したいです。芸術はクリエイティビティや想像力を高めてくれることが最新研究によって分かっていますが、こういった作品をどんどん視聴することでそういった現代社会で求められるスキルが身につくのかなと思います。

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