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多読教材#21 Putin Signs Law Banning Expressions of L.G.B.T.Q. Identity in Russia【12/6ロシアでLGBT宣伝禁止法が成立】

2022-12-08

InkBob

Hey guys. The New York Times, USA Today, Washington Post, Bloomberg, Newsweek といったニュース系の記事を読むことをルーティン化している代表Okadaです。

ただただびっくりしたニュースに遭遇しました。

マジ?

タイトル通り、今週ロシアで反LGBT法がプーチン大統領の署名により発効されました。この時代の流れと逆行する法律制定にただだたびっくりで「おいロシア!」となったのですが、一方的に否定してかかるのは、むしろこちらが多様性を受け入れていない狭い世界に生きているような気持ちになったので、後述するコメントは広い視点で語ってみたいと思います。

OKADA

今回はThe New York Timesより。

Article (記事)

Putin Signs Law Banning Expressions of L.G.B.T.Q. Identity in Russia

Number of Words

586 words

黙読2m56s で読み切れればスピードリーディングスキル(速読力)十分。

Text:本文(Putin Signs Law Banning Expressions of L.G.B.T.Q. Identity in Russia)

*英検1級や私立医学部最難関(近畿大など)に登場する語句はイエローのハイライトを付しました

Putin Signs Law Banning Expressions of L.G.B.T.Q. Identity in Russia

The law makes it illegal to spread “propaganda” about “nontraditional sexual relations” in all media, including social, advertising and movies.

President Vladimir V. Putin of Russia intensified his crackdown on L.G.B.T.Q. people on Monday, when he signed new legislation that widely bans public expression of their identity in the country.

The new law makes it illegal to spread “propaganda” about “nontraditional sexual relations”  in the media, advertising, movies or on social media. It had passed the Duma, Russia’s Parliament, by a vote of 397 to 0 on Nov. 24.

Demonstrations of “nontraditional relationships or preferences” will also be completely barred from advertising, and from any outlet visible to minors.Distributing to minors any information “that causes children to want to change their sex” was also prohibited.

The law is likely to put another strain on a community that has already been largely stigmatized in a country where officials have cast the repression of L.G.B.T.Q. expression as part of a wider struggle to protect Russia from Western interference.

Mr. Putin has long cast L.G.B.T.Q. life as a Western intrusion into Russia’s traditional society and values, and proponents of the new law recently likened the fight against L.G.B.T.Q. expression to Russia’s military actions in Ukraine, which they see as a broader civilization clash between them and the West.

“We have our own way of development, we do not need European imposition of nontraditional relations,” Nina Ostanina, chairwoman of the committee on family, women and children, said during parliamentary hearings on the legislation.

Russia has banned “propaganda of nontraditional sexual relations” among minors since 2013, with steep fines or suspension of business activities for Russians, and expulsion from the country for foreigners who were found guilty. The new law extends the ban on such propaganda to all adults.

Since 2013, just over 100 cases ended up in court, according to an analysis by a Russian lawyer, Maksim Olenichev, but experts said its biggest impact was casting the community as inappropriate, making it more invisible and subject to abuses. The new law is likely to push the L.G.B.T.Q. community further underground, its opponents said.

The new law also contains a ban on propaganda for pedophilia, and a leading independent news site, Meduza, said the combination “looks like an attempt to put homosexuality and pedophilia in the same row.”

“The ban on ‘L.G.B.T. propaganda’ is a big problem,” Alena Popova, a human-rights activist, told the group Coming Out. “Now this vulnerable group is in an even more vulnerable position.”

It is unclear what the word “propaganda” means in the context of the law, but the 2013 law said it took the form of “dissemination of information aimed at the formation of nontraditional sexual attitudes among minors.” Imposition of information about these relationships “that arouses interest in such relations” also amounted to propaganda, the law said, as did spreading the “distorted idea of ​​the social equivalence of traditional and nontraditional sexual relations.”

Fines for “propaganda” of nontraditional sexual relations or preferences can rise to about $6,400 for citizens and $80,000 for organizations.

Roskomnadzor, Russia’s powerful internet regulator, will monitor the internet to identify information and programs that are affected by the ban on L.G.B.T.Q. “propaganda” and pedophilia, according to the Russian state-run news agency Tass.

The law also forbids the issuance of a rental or streaming certificate for films with materials that promote nontraditional sexual relations and preferences.

Even before the legislation was signed, Russians in the L.G.B.T. Q. community feared that it might make it harder for them to continue living in a country that is muting the expression of political and social views and personal identities of which the Kremlin disapproves.

Vocab.

英検1級に登場する表現を拾っておきます。

crackdown「厳重な取締り、弾圧」
minors「若者」*
proponent「支持者」*
(be) subject to ...「1 〜の影響を受けやすい  2 〜に従わなければならない」*
vulnerable「傷つきやすい、もろい」*
dissemination「普及、宣伝」
pedophilia「小児性愛」

*がついているものは大学入試なら普通にGMARCHにも登場します

Highlights(キーポイント)

LGBTQといった性的指向*の宣伝が、メディア、広告、映画、SNSで禁止される新法が成立した。
 (11月の国会では全会一致で可決されていた)

 *パッセージでは「伝統的ではない性的関係」(nontraditional sexual relations)という言葉で表されています

・子どもたちが性別を変えたくなるような情報は全て禁じられる

・性的指向の多様性を受け入れている欧米から自国を守るという意味でLGBTQの抑圧に動いているというのがプーチン大統領の考え。

・すでに2013年から若者に対しては同内容が禁止され罰金などが課されていたし、外国人に対しては国外退去という措置を講じてきたが、今回の法律は全ての成人に適用されることになり、LGBTQの立場がさらに危ういものになっていくだろう

・この新法では小児性愛の宣伝もNGになった

・罰金額は個人$6,400、団体$80,000。

・上述したとおり、映画(レンタルでもストリーミングでも)にも適用される

LGBTQとは

そもそもLGBTQとはなにかは下記を御覧ください

Okada's Opinion

私個人としては、2015年あたりからLGBTQという考え方が世の中に浸透し始めた印象を持っています。おそらくアメリカで同性婚の法律が全州で可決されたからだと思います。

髪の毛や肌の色が違うように、そして違った宗教を信じるように、違っているのは当然で、なにか1つに統一するというのは現代社会ではまず無理なのではないかと私は感じています。だから、性の多様性は当然のものだと考えています。男か女かの2択って選択肢が少なすぎて難しくないですか?!

学校教育1つとっても、今はインクルーシブ教育が主流のため、帰国子女、移民、ADHDの子どもが1つのクラスで学びます。そういった多様性のある教室の中で、一方向のレッスンはまず効果が薄いですから、双方向性をもたせたり、個別最適化された指導が必要です。一律って難しいんですよね。むしろ違っていて当然であって、いや違っているからこそより大きな集団の力になる、個では実現しない大きな目標を達成できるんですよね。

ロシアの今回の決定。うちは多様性は受け入れない!というメッセージにとれて、ウクライナ進行に続いて、そろそろいい加減にしてほしい!もっと世界と協調しろよ!!というのが正直な感想です。ただ、欧米で世の中に浸透しつつある考えを受け入れたくない、という視点にも理解はできるんです。

例えば、最近教育業界で議論になっている校則。ツーブロック禁止、ポニーテール禁止。ビジネスパーソンとしてはツーブロックは爽やかな雰囲気、好感が持てるというのが一般的です。学校では、おそらくパーマや眉毛と一緒でいじっているのが勉学の妨げになる、というのが理論だと思いますが、一般社会とかけ離れている狭い考えだ、と批判されています。このヘアスタイル問題一つとっても、世の中の大多数が賛成でも苦手という層も存在します。実際に私立高校のある地域の中には、高齢者を中心に「おたくの学生は髪型がなっていない、こわくて近寄りがたい」という苦情がくるそうです。厳しい校則OKと考える人も一定数いるんですよね。

このように、賛成派多数という問題にも、否定派がいて、それを「100%悪」と断言し批判するのは、むしろこちら側の思考が停止している気がするんです。相手の生きづらさを高めているような気持ちにもなります。程度をもっと大きくしたのが今回のロシアの問題と考えた場合、違った意見があるのは当然、という結論私は達しました。感情的には受け入れがたいけど、様々な考えが世の中にはあることは受け入れたい、そういった自分でいたい、という気持ちでいます。

大切なのは、互いにコミュニケーションをとって、もっとも摩擦が少ない妥協点を見つけていく、少しでもお互いが良い気持ちになれるようにする、というのが今できることだと思います。

国際社会の問題って、規模を小さくしたら、学校の教室や友だち同士にもあてはまると思うんです。だから個人としてできることは、身近なところで、違いを認めたり、意見が違えばお互いにしっかりコミュニケーションをとる、これが国際社会への個人ができる小さな、でも大きな貢献だと思います。

今後、ロシアが協調性のある国際的対話に応じてくれることを願っています。

ロシアでは観れなくなったしまう人気海外ドラマ(Euphoria, Schitt's Creek, Modern Family, glee, 梨泰院クラスなど)

この新法によってLGBTQが描写されるドラマや映画は全面的に禁止という理屈となります。

ドラマや映画等の芸術鑑賞や文学作品の読書などは「共感力」「感受性」「クリエイティビティ[創造力]」「想像力」を豊かにしてくれることが分かっています。最近のEmmy賞や人気作品はLGBTQの要素が入っているものが多いですので、優秀な作品への接触が減ってしまうことを意味します。解除してくれたらいいなと願うばかりです。

さて、LGBTQの要素のある人気海外ドラマ、そして、英語学習に活用できるものをリストアップしておきます。

Euphoria 2019-

今年2022年のEmmy賞受賞作品。世界No.1と呼ばれるラッパーのDrakeが製作総指揮していることで音楽好きな方にもおなじみのシリーズですね。

Schitt's Creek 2015-2020

2020年のEmmy賞受賞作品 。

私はこちらの作品でLGBTQを深く理解し、日本で開催されるイベントにも足を運ぶようになりました。

OKADA

Modern Family 2009-2020

Emmy賞を5年連続受賞

glee 2009-2015

Emmy賞、そして、2年連続でのGolden Globe賞受賞。日本ではNHKでの放送もあり大ヒットしましたね。

Itaewon Class(梨泰院クラス)2020

こちらはNetflixを通じて2020年に日本で爆発的人気になりましたね。私もパク・ソジュンさんファンとしてリアルタイムで視聴していました。LGBTQや外国人問題にも一石を投じ、韓国社会の縮図とも言われたドラマです。

OKADA

他にもたくさんの人気作があります。Orange is the New Black (2013-2019), One Day at a Time(2017-2020)など数え切れないです。

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