科学☓学習

計画が達成できなかった時の発想【計画倒れでも7割くらいの達成度ならOK】

2022-10-03

https://www.harvardmagazine.com/2010/09/the-mindfulness-chronicles

Hey guys. 代表Okadaです。

学習計画を立てたけれどオーバーワークで全然達成できなかった。その結果、モチベーションが下がった。頭の中がぐちゃぐちゃして集中力を保てなくなった。

学習していて誰しも経験することですね。

様々なメンタル予防の事前策を立てたけれど、やっぱり精神的なダメージを追ったという場合の一つの納得材料になるのがEllen Langer教授の研究です。

行動心理学者のEllen Langer

まずはEllen Langer教授とは何者なのか。

Harvardで「人のマインドセットが行動結果にどう影響を与えるか」を研究されている教授です。

"Mindfulness"と行動の関係性の第1人者。「考え方が行動の結果を変える」という考えを追求している研究者です。

Ted Talks のHarvardでの講義

Counterclockwise Experiment

「反時計回り実験(Counterclockwise Experiment)」が最も有名です。

高齢者が若い頃のような生活をすると様々な若返り現象が起きる

ということが実験で分かったんです

Believing is seeing: using mindlessness (mindfully) to improve visual acuity

さらには、「思考が変化すると視力さえも上がってしまう」という論文も発表されています(Believing is seeing: using mindlessness (mindfully) to improve visual acuity, 2010)。

目標は予想の3分の2くらいで息切れする

さて、本題です。

Langer教授の実験によって分かったこと。

運動の持続実験(特定の運動をどのくらい続けられるか)で、どのくらい達成できると思うかを被験者に質問すると、

おおむね「7割くらい」

と答えた。

このことから一般的には次のような考え方が提唱されています。

多くの人は目標となる行動はだいたい7割くらいで打ち止めになってしまう可能性が高

70%くらいできればよしとする

計画を立てたら、やはり100%完遂というのが理想です。けれど、平均的に見れば、70%くらいの達成率になる可能性が高い、と思っている人が大半なんです。

ですから、達成できなくても「自分ひとりじゃない。みんなそうなんだ」くらいの軽い気持ちで対処するのが有効といえます。

ビジネスの世界では計画7割作業3割という言葉があるくらい、計画を立てることが成功の大原則と言われています。ですから、まずプラニングをできた自分を褒めてあげてください

そして、100%を最終ゴールとするのではなくて、最低ライン7割実行にうつせたらいいんじゃない!?

というオープンな気持ちで考えてあげるのが行動心理学の目線ではオススメされています。

オーバーワークくらいの計画にも実は効力がある

上述したとおり、「7割達成の予測」の理論をベースにすると、オーバーワークも良いものじゃないか?!と思わされます。

100を目標にした場合は70くらいの達成可能性ということですが、最初から130くらいに設定しておけば、その7割ですから、当初の100に近い90まで達成される可能性が高くなる、と言えます。

ですから、計画を立ててから実行に移していると詰めすぎたな、と感じた時は、もちろん軌道修正をすべきサインなのでプラニングのし直しは必要ですが、実は適度な目標設定を立てたときよりも達成度は高くなる可能性があるわけですから、まずは「詰めすぎたけど、でも、できたことは多いかも」とポジティブに捉えてもよいと言えます。

OKADA

私Okadaはワークアウトの一つとして、ジョギングとスイミングを習慣化しています。ジョギングなら1キロあたりにかかる時間の平均は決まっているので、それにできるだけ合わせようとしますが、調子が悪い時にあえて目標設定を高くかかげることもあります。仕事でも同様で、現状で3つしかできなさそうな時にあえて5つを進行させることもあります。その結果、達成度が意外にも高いことが多いです。もちろん達成できない時のダメージもありますが、過大なのも時には良い効果を生むというのは実感しています。大学入試なら、GMARCHが第1志望だけど早慶を目指して勉強したら、余裕でGMARCHに合格できた、というのはよく耳にする現象です。

マイナスはプラスに変換する

就活生の自己PRのブレインストーミングの定番と言えば、「短所を長所化」するという考えてです。

・友人が少ない → 深く付き合う
・特定の趣味がない → 色々なものにチャレンジする気質
・おとなしい → 物事を深くじっくり考える

Langer教授の研究では「マインドが行動に影響を与える」ことが実験で明らかになっているので、心の持ち方次第で人生が変わると言えます。私は「行動を起こすことが心を変えてくれる」という考えを推奨しているので、まずは自分からアクションを起こそう、そしたら、気持ちがついてくるから、とアドバイスをすることが多いです。けれど、やはり「意識の変革」の一つで行動やその成果が変わる、というのは、客観的な実験で明らかにされると、もう少し「心の持ち方を意識して変えよう」と思わされます。

・疲れた → よく頑張った
・行列が長い → 待ち時間何に使おうかな?
・あいつ嫌い → 自分にはない視点もってる・自分の世界観を広げてくれるかも

心の中でマイナスが浮かんだら、ちょっと言い換えてみる。それだけで思考の矯正は少しずつできます。

思考習慣はおよそ6ヶ月で身につく、と言われているので、今から始めよう!と思った方はまずは半年後の日付を確認して、そこまではまず続けてみてください(この時も継続期間が3割分差し引かれる可能性もありますが)。

一般的な計画倒れ防止の対処法

ちなみにですが、一般的に計画倒れにならないようにする手法で有名なものをご紹介しておきます。

① チートデイをつくる【サボることをプラニングしておく】

チートは「サボる」という意味です。計画を立てるときに「調整日」をつくっておく。何もしない日を設定することで、進度の微調整をすることができます。あえてスケジュールに空きをつくっておく、つまり、サボることや挫折も想定した計画をしておくのがよいんです。

② 他人と共有する

家族・友人・先生などに進捗状況をシェアして嫌でもやらざるを得ない強制的環境を作ってあげるとモチベーションが維持しやすいと言われています。

③ 進捗状況の評価をする

定期的に自分の進捗状況のログを確認し、どの程度自分が進められたかを分析する。これによってさらに新たなプラニングや学習・仕事は効率的になります。

④ 最低ラインの設定

To Do リストなどを作る際は、10個やりたいことがあったら、うまくいかないことも想定して「4個やったらよしとする」といったルールを決めておく。

⑤ 目標はできるだけ数値化する

「〇〇をできるようになる」という抽象的なものではなくって、数値化できるものは「〇〇をXXまでする」というように具体的にしてあげる。

⑥ 結局なんのために頑張っているのか、その先にある自分の思いを考える

そのプランを達成した後にどんな自分になれるのか、これからやることのゴールの先にはどんなワクワクが待っているのか。目標達成にはその達成したい背景があるはずです。例えば、TOEIC(LR)900を超える、という目標なら、「海外の部署に移動できる。そしてグローバルにバリバリ活躍する」といったさらなる先にあるゴールやその思いを書き出してみるのは効果的です。

最後に

4月から1年計画である学習を始めた人にとって、学習をはじめから数えて6ヶ月後の今がちょうどスコアに最も反映される時期です【人間の思考習慣が6ヶ月で定着すると考えられているため】。同時に今の時期がプラニングを最も立てたい時期でしょうし、うまくいかない時期でもあります。

上述したように、まず計画を立てること自体での効力は科学的に証明されていますから、失敗しても褒めてください。

目標の完遂がかなわなくてもそういったものだと割り切る自分がいてもよいでしょう。

ささいなことですが、ちょっとした思考のクセの矯正が大きな成果を生み出してくれるかもしれません。「どうせ自分なんか」→「自分ならできる!」といった大それたものじゃなくていいと思います。「スマホ忘れた、最悪」→「デジタルデトックスのチャンス」、「WIFIおそ」→「余計なネットサーフィンが避けられるな」、「寒くていやだな」→「オシャレができる時期だな」、「電車が運休になった。さいあく」→「久しぶりに歩いて運動してみるか」くらい。今学生の方ならちょっとした思考の訓練は就活の自己PRを作成する際ににかなり役立つはずです。

ところで、先月よりこちらの記事の更新率を高めています。Fukuoka English Gymウェブサイトはスクールのサイトなのですが、実はPV数が地方のスクールにしてはものすごく多いんです(ご覧下さりありがとうございます)。英語関連の検索の場合、トップ表示されるケースが多くなってきました。

ですので、多くのウェブサイトと同じようにこちらも収益化できるようにシステムを組ませていただています。

PV数が劇的に増え始めたのは昨年からなのですが、その頃から今月のウェブサイトでの収益は「¥〇〇」、次月は「¥〇〇」にしたいな、という目標は立てています。その中で分析していった時に、SEOをよくするには、旬の話題を記事にするとか(例えばTOEICの試験当日はTOEICの記事を書くとか)、記事内の構造をもう少し整えてGoogleなどの認識率を高めるとか、素人考えから専門的なものまで様々な対策が考えられましたが、単純に更新頻度は高めないとダメだという結論に達しました(Googleがそう分析してくれたので指示に従ってみます)。それで少しだけではありますが更新頻度を高めています。同時にこれが読者の皆様の利益になればと思っています。

本日もお読みくださりありがとうございました。

-科学☓学習