ライティング/作文 大学受験

2022年九州大英語・第5問 グラフ英作文の解答例と出題意図

2022年九州大・第5問

Hey guys. Fukuoka English GymのOkadaです。

今回は九大最新の過去問(2022)の第5問を解説します。

主要な九大の模擬試験作成経験者でもある私が出題の意図とモデルアンサーをご紹介します。

OKADA

問題:2022年九州大・第5問

[5] Read the instructions and write your answer in English. (30 points)

The graph below shows changes in the number of global UFO sightings recorded from 1990 to 2020:

Using about 75 English words, describe the trends in UFO sightings between 1990 and 2020.

Note: Words that express a number, such as 319 or 1990, are counted as one word.

グラフ・表の出題意図

General → Specific : 全体と個で傾向を捉える

まず、全体の記述をします。ジェネラルにおおざっぱな傾向を書くんですね。その後、個々の特徴の記述という、具体的(=specific)な展開にします。

【アウトライン作成とライティングの際の展開】

●全体としてどう変化したかの記述【抽象 / General】
↓
●個々【具体 / Specific】

このようになるような作問がされるんですね。

実際に今年九大模試を2回分作成しましたが、上記のような設定にしました。これは、グラフ・表の分析を求める出題をする伝統校「広島大」「名古屋大」、準伝統校「琉球大」「佐賀大」、新規出題校「長崎大」なども同じパターンとなっています。

OKADA

個:極端な項目や対比に着目する

グラフや表の分析というのは、現実の社会やビジネスで求められる「数値などの情報の比較検討」のスキルに直結するものだと私は考えています(現在の学習指導要領から考えるとそういった意図で出題することになるでしょう)。ですから、対立する項目が基本的に登場するんです。それを最も分かりやすく理解できる箇所は最大値・最小値といった極端な部分です。

時制は統一する

過去のデータで、過去の年代を記述するのであれば「過去形」が基本といえるでしょう。ただし、こういった分析って、日本語でも現在視点で「1990年から大幅に上がっていますね」と言い方はするように、現在形で書いたとしても間違ってはいない(と私は考えています)。とは言え、設問上に動詞が過去形で明示されていたり、与えられている書き出しが過去形となっている場合、時制が制約されるので気を付けておきましょう。

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ちなみに私が模擬試験を作成する場合は過去形で統一しています。レッスンで指導をする際も同様です。公式のモデルアンサーを公開している大学のほとんどがそうであるため、それに併せています。採点基準をどう作成するかまではお教えできませんが、上述した観点でどの採点官が担当しても採点にぶれがないように公平な基準や区分は明示します。

アウトラインのサンプル:2022年九州大・第5問

ここまで細かく記述する必要はないですが、ライティング開始前にざっくりとアウトライン、つまり、構成メモは作成しておいたほうがよいでしょう。

全体①世界のUFO目撃数が1990年→2020年で大幅に増加
②1994年(約320)→2014年(約8700)まで着実に増加
③2014年がピーク
④その後2018年にかけて激減
⑤しかし、その後また増加(約7,200)
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今回求められる語数が75 wordsです。1センテンスあたりの語数平均が12 wordsくらいの方ならば、6センテンス書けば、概ね−10%くらいまでの語数にたどりつけます。ですから、ここは絶対に盛り込まないといけない!という項目の分析をしつつも、「自分は6つくらいで足りるから、ここの細かい記述はいらないな」といった視点ももっておきましょう。

細かく書けば90→94年で変化なしと言えますが、語数を考慮した場合、ここまでは求められていないと判断し、省略しました。実際に書いてみると、やっぱり不足しそうだ、という場合は、追加するといいでしょう。また、数値は概数にしてもよいでしょう。

モデルアンサー

This graph shows that the number of global UFO sightings significantly increased between 1990 to 2020. It rose by around 7,000. In 1990, the number was only about 320. It remained largely stable until 1994, but it grew to around 8,700 in 2014, which was the highest during the 30 years. After that, the figure dramatically decreased, even halved, until 2018, but it grew again and reached about 7,200 in 2020. (71 words)

【この解答の良い点】
・全体像→個別の特徴という分かりやすい構成
・「増加する」をincreased → rose → grew のようにパラフレージングしている
・「数」numberもitやfigureでのおきかえをしている
・ aboutはaroundにパラフレージングしている
・適度にDiscourse Markerを使い構成が明確になっている

グラフ・表の作文で使われる便利な表現

最後にグラフや表の作文で頻繁に使うことにある表現を一部(本当に使うものだけ)ご紹介します。

先程のモデルアンサーでは1stセンテンスでbetween A and Bを使っています。これは設問文のfrom A to Bをパラフレージングして採点官に結束性を出したことをアピールしています。

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Topic Sentence / Introduction とSupportの便利な表現

Structure日本語英語
Topic Sentence
/ Introduction
このグラフが示しているのは、This graph shows that ….
Supportこの表が示しているのは、This table shows that ….
〜の数が〇〇増加したThe number of ●●s increased by 〇〇
*差はby
〜の数が〇〇に増加した       The number of ●●s increased to 〇〇
*結果はto
*「減少した」はdecreasedへ
〜の割合が2倍になった       The ratio of ●● doubled.
〜の数が3倍になったThe number of ●● tripled.
Aの数はBの数の4倍だったThe number of A was four times as large as that of B. 
〜はほとんど変わらなかった●● remained largely steady.
*largely→comparativelyもOK
 *steady→stableもOK

「増減」はパラフレージングで結束性を出し語彙点の評価をあげる

増加するincrease / grow / rise / go up / soar
減少するdecrease / decline / fall / go down / drop
著しく(増減)dramatically / significantly / considerably

型の理解と事前のアウトライン作成がものを言う

グラフ・表といったチャート型の作文は、事前に型をおさえておくことが、通常のエッセイライティング以上に重要だと思っています。それはグラフなどでは使われるものがはっきりと決まっているからです。全体→個というGeneral→Specificという流れは、英語の抽象→具体の基本です。また、「〇〇まで増加」increased until 〇〇、「〇〇分増加」increased by 〇〇といった表現も一種の型。ある程度使うものが決まっているので、それはオリジナルのネタ帳にストックしていきましょう。

また、アウトラインをメモしておくことも重要です。速攻で書き始めた場合、しらずしらずのうちに一貫性が崩れてしまうことが多い。それを回避したり、事前に必要な語数を満たせるかを実際にメモを作っておくことで対応できるんですね。

表現からネタまで日々練習したものはオリジナルのネタ帳を作成してどんどんストックしていきましょう。次第に過去考えたことのあるネタが使え、おそらしいほどの時短ができる瞬間が訪れるはずです。

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