科学☓学習

比較対象は過去の自分にする【自己嫌悪の原因:上方比較・下方比較】

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学習を進めていると、どうしても周りが気になります。

友人のスコアが上がった、SNSで合格報告があふれている(のに自分は不合格だった)。

「絶対に次は負けない!」というポジティブなエネルギーに変えることができれば「他人との比較」も大きな原動力になりますが、人間は自分の出来と他人の出来を比較してばかりいるとモチベーションが大きく下がり、成果が現れづらいと言われています。実際、他人との比較をしたせいで落ち込みを感じた事がある人はおよそ50%近くというデータを提示している調査もあります。

上方比較【上位者と比べちゃうのは諸刃の剣】

自分よりもレベルの高い人を対象に比較することを「上方比較」と言います。

この上方比較には肯定的なエネルギーを生む場合と、否定に落ち込ませる場合があります。double-edged swordですね。

●OK:成績が良い友人がTOEICで満点をとった
➔「すごい。私も絶対満点取る!」

●NG:成績が良い友人がTOEICで満点をとった
➔「くやしい。なんであいつが。ひきずりおろしたろか。私なんてごみだ」

このようにプラスマイナスどちらにも転びます(➔人間はNGの方に進む性質をもっているそうです)。

ですから、もし上位者と比較する場合は、できるだけ肯定的な観点でその対象者を見るようにしてください。

どの点がすごいと思ったのか、どの部分を自分は真似できるのか、どういった行動をとっているのか、実際に書き出してみるとよいでしょう。頭の中だけで考えるとマイナスの方に向かって思考が循環していきます。

下方比較【下位者と比べると成長はしない】

自分より下にいる人と比較して自分をあげようとする心理を「下方比較」と言います。

下方比較の最大の特徴は

下位に注目した場合、(上位に比べて)たくさんの対象者がいることに気づきます。「私より出来ない人はたくさんいるんだから、まあ現状で大丈夫か」と、思考が停止する。だからアクションも起こさなくなる。結果、成長度が低くなる。

上方比較・下方比較という心理への対処法【対象の分析をする】 

対象の分析

上位比較で上述したように、

比較しているな、と感じたら、肯定的な観点で対象を見る。対象者を観察しましょう。

なぜその人は他の人よりできるのか。どういったアクションを起こしているのか、その中で自分が真似して成果が上がるものは何か。

比較するのではなく、そういう目線で見ると、「嫉妬」や「自己否定」といったネガティブな気持ちが少し和らぐはずです。

リスペクトの対象にするだけで激変する:モデリング

さらに、対象者を「リスペクトの対象とする」という方法も有名です。「妬み」が現れたら、まず【リスペクト】の対象としてわざとみてみます。すると、その人が成果を出すために行っていることが自動的に目に入るようになっていくというのが「モデリング」理論です。

比較しても落ち込まない

上述したとおり、5割近くの人が比較をして落ち込んだ経験があるというデータもあります。

ですから、「他人との比較」は人間として当たり前の感情、くらいの軽い気持ちで見てよさそうですね。ポジティブに働けばよしとし、ネガティブに働きそうな場合は、比較相手をモデリングの対象にする。じっくり観察してその人がどうやって成功しているのか考える。自分でできそうなものをコピーして実践してみる。

私(代表Okadaです)自身も、上位者の方と比較しているなって思ったら、その方の行動や発言はよく観察しています。そこで「あ〜こういう動き方をしているから成果を出しているんだな」と新たな気付きを得ることも本当に多いです。

そしてもう一つ大事なことは「比較対象は自分にする」

過去の自分と現在の自分を比較すると「今よりネガティブ(過去)vs. 過去よりポジティブ(現在)」という構図がより鮮明になるため、自分自身の成長度を実感しやすい、と科学的に言われています。その結果モチベーションが高まりやすい

他人と比較する前に、昨日の自分、1ヶ月前の自分よりもレベルが上がったか、という視点も常に持っておきたいですね。

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