共通テスト 大学受験

2025年度(令和7年度)スタートの新しい共通テスト英語の試作問題が公開されました

2022-11-10

https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/shiken_jouhou/r7ikou/r7houkousei.html

Hey guys. 代表Okadaです。

令和4年度に高等学校に入学生徒から新学習指導要領で授業を学ぶことになります。その結果、令和7年度(2025年度)の共通テストの中身も変わることになります。

11月9日に大学入試センターより、その試作問題がリリースされました。

試作問題(共通テスト英語 Reading)

問題作成にあたり考慮されていること

試作問題作成にあたる検討の考え方(公式)

下記、大学入試センターによる問題作成にあたっての「検討の視点」です。

(検討の考え方) 新学習指導要領では,6科目(「英語コミュニケーションI」,「英語コミュニケーションII」,「英語コミュニケーションIII」,「論理・表現I」,「論理・表現II」,「論理・表現III」) が設定されており,これらのうち「英語コミュニケーションI」が必履修科目とされている。

また,現行の大学入学共通テストでは,現行学習指導要領の必履修科目「コミュニケーション英語I」の内容に加え,「コミュニケーション英語II」及び「英語表現I」の内容 を,『英語』として出題している。

このため,必履修科目「英語コミュニケーションI」と選択科目「英語コミュニケーシ ョンII」及び「論理・表現I」を組み合わせ,『英語』として出題する。

https://www.dnc.ac.jp/albums/abm.php?f=abm00040331.pdf&n=02_平成30年告示高等学校学習指導要領に対応した令和7年度大学入学共通テストからの出題教科・科目について.pdf

と言われてもよくわからないですね。実は新学習指導要領では「英語コミュニケーション」(従来のコミュニケーション英語の内容を変更し名称を改編)、「論理・表現」という科目が新たに加わっているんです。

新科目の英語コミュニケーション, 論理・表現の内容が反映されています

英語コミュニケーション

従来の科目「コミュニケーション英語」は英語の基礎的に能力を養成するのがゴールでした。しかし、「英語コミュニケーション」では、目的やシチューションに応じて正しく活用できる英語の技能を養成します。つまり、リアルな世の中で使える実用的英語力を育てる。ですから、「聞く」「読む」「話す(やり取り)」「話す(発表)」「書く」という5つの領域をバランス良く育てるんですね。

論理・表現

こちらがリアルに新設された科目になります。従来の英語の授業の通り、ディスカッション、ディベートは行いつつ、プレゼン、スピーチといったより論理的な思考が要求される高度な技能の養成もするんです。英語でのSpeaking力、発信力を強化していくんですね。

OKADA

つまり、これまで以上にスピーキング力が求められるし、授業内で英語を話す割合が増えるんですね。さらには実社会で活用できる英語力を養成するために、論理的な思考もより強化していくんですね。

これらの変更を考えると、私が問題作成者なら、英語を話す能力を試すような問題、複数の情報を比較しながら解く問題、実社会でリアルに使われている実用的な表現力を活用して解く問題を設定すると思います。特に、「英語を話せる人が勝ちやすい」「論理的に考える人が高いスコアをとれる」ような設計にするな、と考えました。

実際に後述する「試作問題の概要」にもそういった感じのことが記載されていました!

試作問題の概要(公式)

下記、公式の試作問題の概要を一部抜粋。

・ コミュニケーションを行う目的や場面,状況等に応じて,情報や考えなどの概要や要点,詳細, 話し手や書き手の意図などを的確に理解する力を引き続き重視する。

・ 併せて,高等学校において,英語を「聞くこと」,「読むこと」,「話すこと[やり取り]・[発表]」, 「書くこと」を統合した言語活動の充実が図られていることを踏まえ,情報や自分の考えを適切に表現したり伝え合ったりするために,理解した情報や考えを整理したり,何をどのように取り上げるかなどを判断したりする力を重視する。

・ また,コミュニケーションを支える基盤となる音声,語彙,表現,文法等に関する知識や技能 についても,上記の力を評価することを通して引き続き評価する。

○ 上記のうち2点目の「情報や自分の考えを適切に表現したり伝え合ったりするために,理解した情 報や考えを整理したり,何をどのように取り上げるかなどを判断したりする力を重視する」ための問 題作成の工夫としては,例えば,論理の構成や展開を工夫して意見や主張などを話したり,文章に書いたりする言語活動を行う場面設定の問題を出題することが考えられる。

https://www.dnc.ac.jp/albums/abm.php?f=abm00041803.pdf&n=5-1%2B概要「英語」.pdf

トライリンガルOkadaからの試作問題の感想

現代の実用的な英語使用場面を想定した作問になっていて、とにかく、主張の把握や全体像の理解も含めて、論理的にパッセージを読むことが従来よりさらに求められるような問題になっています。特にあるトピックに対する立場の把握(=主張)する問題が目立っています。また、現在の共通テストにはない語句やセンテンスの挿入問題も加わっています。

2022年度までの共通テスト(英語)リーディングは、「情報処理」が中心で、正直なところ、論理的思考をしなくても、ただ必要な情報をスキャンして検証することの繰り返し問題が大半。ですから、センター試験時代と比較すると、対策授業で話したいことが本当にあまりありません。今回のようにもし改訂されるとしたら、より頭を使って、比較検討し、立場を把握する、という意味では、現在よりも思考力を試験で測定できているように思います。話す・書くスキルもこの形式なら記述やスピーキング試験がなくても、かなり測定できるようになると感じました。

個人的には、グラマースキル、語彙スキル、発音などもっと幅広く出題し、さらに、パラグラフの整序問題などさらなる論理的スキルが求められる出題になるといいなと思いました。

リスニングは変更なし

リスニングは現在更新されている問題を見る限り、特に変更はなしでした。

変更されるとすると、「読み上げスピード」「読み上げ言語の種類のさらなる多様性」「より自然な英語表現(スラングやもっと自然Fillersの利用)」の改善がされるのかな、と思っています。

●問題は下記

https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/shiken_jouhou/r7ikou/r7houkousei.html

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