文化

Jack-O-Lantern ジャック・オー・ランタン の作り方・由来・Oって何?

2021-10-29

 

OKADA
この記事を書いた人

 

Hey guys. 代表Okadaです。

ハロウィーンの季節になりましたね。日本ではインスタ映えするコスチュームや飾り付けでハロウィーンの雰囲気を高めていき、街にくり出して友人同士でお祝いをしますが、海外では元々は家族で楽しむイベントでした。その中でも有名なのが、カボチャをくり抜いてロウソクをいれた置き物、これが「ジャック・オー・ランタン」です。

実は今週恒例の家族でジャック・オー・ランタンを作りました。

作り方はとても簡単なのでシェアしたいと思います。

 

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Jack-O-Lanternの作り方

Step 1 Buy a pumpkin  カボチャを買う

例年通り、ハロウィーン用のオータムゴールドという黄色のカボチャを購入しました。食べられないですが、中身が柔らかいのが特徴です。

 

Step 2 Sketch out the design 下書きをする

顔部分と切り取る底の部分にペンで下書きをします。我が家では今回付属シールがついているものを購入したのでそれに沿ってカットしていくのみでした。

下書きは下のようなイメージですね。

(下書きイメージ)

 

Step 3  Cut out a lid from the bottom 底の部分から蓋をカットする

底の部分を切り取り、これがロウソクを置く土台になります。

 

キレイにカットできました。

 

中はこんな感じです

 

Step 4 Scoop out the brains and remove the seeds 掘り出す

中身のワタと種を掘り出します。子どもたちにも手伝ってもらいガンガンほじくり出していきました。きれいに整えていきます。

 

Step 5 Clean up the lid  蓋をきれいに

Step 3で切り取ったフタ部分を成形します。出来上がりは次のような感じです。この上にロウソクを載せます。

 

Step 6 Carve the pumpkin カボチャを彫る

芸術家の気分で彫刻。

 

Step 7 Dry 乾燥させる

中身が湿っているので天日干しで1日乾燥させます。

 

Step 8 Illuminate with a candle キャンドルを蓋の上において合体

蓋の上にキャンドルを載せてパンプキンと合体させて完成です。

 

日本のこの乾燥した時期のロウソクは危険なので、LEDライトでカラフルに色が変わるものにしています。オレンジ、レッド、グリーン... といろいろな表情が見れて楽しいですよ。

 

ハロウィーンは身近な異文化体験

お子様がいらっしゃる方は是非ジャック・オー・ランタンやハロウィーンがどんな文化背景があるのかを伝えてあげてください。なぜカボチャに火を灯すのか、どんな意味があるのか。単にコスチュームを着て盛り上がる日以上の、身近な異文化体験ができる日だと体感してもらうことで視野を広げることができます。

Jack-O-LanternのOはフィレオフィッシュと同じ

OはOfを省略した形です。身近なところではマクドナルドにあるFilet-O-Fish(フィレオフィッシュ)のO=Ofです。ofは「の」に相当しますから、「魚の切り身」ということですね。

前置詞のofはファンクションワード(function word)やグラマーワード(grammar word)と言われ(日本では「機能語」と呼ばれます)、ただのつなぎで、聞き手にとって情報価値があまりないため、「弱形」という短くあいまいな発音がされます。「オブ」ではないんです。短くあいまいに発音するから、「ゥヴ」「ヴ」になったり、fの音がほとんど聞こえず「ゥ」のような音になったりします。個人的には「ゥ」の音がofのデフォルトかなと感じます。省略のOは、fの音が聞こえないのでfを落として、Oのみ残しているんですね。

元はカボチャじゃなくカブだった

古代ケルト発祥(アイルランド、スコットランドの辺)のJack-O-Lanternですが、元々はカブでした。アメリカにこの文化が伝わりカボチャに変わりました。

 

Jack-O-Lanternの名前の由来

(https://www.deathwishcoffee.com/blogs/news/heres-the-real-story-behind-the-jack-o-lantern)

 

Jack Of Lanternは日本語にすると「ランタンのジャック」っていうことなんですね。Lanternは「手提げ提灯、ランタン」ですね。諸説ありますが、アイルランドの伝承に由来します。生前たくさんの悪事を働いていた酒飲みのJackが、悪霊を騙してしまったため、亡くなってからも天国にも、そして地獄にさえも行けずさまよい続けた。暗闇の中で、なんとか悪魔に分けてもらった灯火を消えないようにするためにカブをくり抜いて灯火をいれた。これをランタンとしてさまよったというストーリーです。

悪の象徴といった感じですね。

また、ケルト人たちがアメリカに移住した際に、手に入りやすいカボチャに様変わりしたんですね。

 

ハロウィーンとJack-O-Lanternとの関係

古代ケルトでは11/1がニューイヤー、ニューイヤーイブが10/31です。秋の収穫を祝い悪霊(evil sprits)を追い払うという宗教的な意味のあるイベントでした。彼らの文化においては、10/31のこの日、先祖の霊(sprits)たちがこの世に戻って家族に会いに戻ってくると信じられていました。その際に、悪霊(evil sprits)も同時に戻ってくる。作物を荒らしたり、子どもをさらったり悪事を働くため、悪霊を追い払うために魔除けとして使われたお守りのような存在がJack-O-Lantern、さらには仮面や仮装をすることで追い払えると考えたんです。また、魔除けのためにかがり火をたいていたのですが、その文化が色濃くJack-O-Lanternの灯火に残っているとも言われます。

霊が戻ってくる、という意味ではまるでBon Festival(お盆)みたいで、日本とつながりがあるように思えてしまいますし、文化を超えても同じような考え方を持っていることに神秘を感じます。ちなみに、私は毎年10/31に英会話のレッスンがある場合は必ず生徒様にお盆の話をします。

 

Trick or Treatの由来

Trick「いたずら」Treat「お菓子(元の意味はごちそう、もてなし)」。「お菓子をくれなきゃ、いたずらしちゃうぞ」がTrick or Treatです。一説では、この世に戻ってきた悪霊が家にやってきたときにお菓子をあげることで帰ってもらう、というところからです。

海外ではだいたい13歳くらいまでの子どもたちがこのセリフの対象者になります。

 

Jack-O-Lanternについての英語記事を読んでみよう

VOA Learning Englishの記事:Jack-o'-Lantern: Why Is It Named 'Jack'?

(https://learningenglish.voanews.com/a/jack-o--lantern-why-is-it-named-jack-/5630153.html)

VOAには音声もついています

英検2級くらいのゆっくりとしたスピードで音声が読み上げられています。

 

 

最後に

私は子どもたちと一緒にJack-O-Lanternをつくるときに、「これを作っておいたら10月31日に幽霊がやってきても家には入ってこないよ」と説明しています。本気で幽霊がくると今だに思っていますが、小学生になるとなんとなく、スプーンでくり抜く作業をしながら、自分なりに意味づけ(たぶん幽霊がこないようように幽霊がこないように...のような感じ)をしているように見えます。パンプキン彫りの体験で、少し視野が広がったんじゃないかと思います。

これがやがては宗教の意味や文化的背景まで理解できるようになるともっと色々な視点で物事を見れるようになるんじゃないかとワクワクしています。

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