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クロアチア VS 日本 のPK戦の南野選手に思う【社会的手抜き】

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Hey guys. 超朝型のOkadaです。

毎朝3時台起床を習慣化している私。今朝、2022年12月6日はワールドカップの決勝トーナメント1回戦クロアチア VS 日本の試合があったので、珍しく0時台から活動しています。サッカー経験者としては、ついでに韓国戦もみてみたくなり、そのまま観戦。早朝時間を仕事か読書かNetflix/Hulu以外に費やすの久々だったので、すごく新鮮で良い気分になりました。

さて、PK戦。

森保監督がPK戦を立候補制にしてきた、という記事を読んでとっても驚きました。

私がパッと思い浮かんだのは「社会的手抜き」という心理で、試合終了後に振り返ったときに、最初のキッカーを選択した南野選手はホントにすごい!と思いました。

社会的手抜きとは

別名「傍観者効果」や「社会的怠惰」。1人で作業をするよりも, 集団で作業した方が一人ひとりの作業効率が下がってしまうのです。集団の中での決定をする際は個人がなかなか意見を出せなくなってしまう。誰か他の人が意見を言ってくれるだろう、とそれぞれが思ってしまうんですね。

当事者意識を持てなくなってしまい、まるで他人事のように考えてしまう。これが社会的手抜きです。

詳しくはこちらをご覧ください:

https://fukuoka-englishgym.com/archives/1226

昔行われた有名な実験で次のような結果が出たんです。綱引きでの牽引力を計測したところ、

1人で引っ張る:100%
2人で引っ張る:1人当たり93%
3人で引っ張る:1人当たり85%
5人で引っ張る:1人当たり70%
8人で引っ張る:1人当たり49%

のように、8人になると、パフォーマンスが半減してしまったんです。

OKADA

私が1週間の中でする英語のレッスンの中で最小が4人クラス、最大が大講義室で80人クラスです。同じ指示を出しても当然ですが、後者の方が時間がかかりますし、一人ひとりの当事者意識が明らかに低いことを実感します。

集団のアクティビティの中で、当事者意識を持てないことが一番成長度が低くなると私は考えているので、会議をするときは、タイマーをセットしてタイムプレッシャーをかけたり、立ってしたり、他の人の意見にコメントを必ず入れるというルールづけをしたりします。活性化しない場合、例えば、8名の会議なら、3-4人のグループに分割します。すると、社会的手抜きが起きる可能性がかなり低くなるんですね。

最も勇気がいるのは最初に手を挙げること【でも一番成長する人】

社会的手抜きの心理作用が働く集団の中では、まず一番最初に発言をしたり、手をあげたりすることのハードルがとにかく最も高いです。失敗するかもしれない、まとはずれな意見かもしれない、反論がきたら嫌だ、など、結構な頻度で皆同じ思考なので、お互いに待ってしまうんですね。

だから、口火を切ることが最も緊張し、勇気がいります。

しかし、この最もハードルの高いアクションを起こせる人が成長度が最も高くなると言われています。

会議やワークショップで自分がリーダーではない時はできるだけ自分から口火を切るようにしています。もちろん、的外れな解答を言ってしまって、後の人が秀逸だったら嫌だなという躊躇した気持ちはあるものの、待って活性化しない活動よりも、しょうもない意見だったとしてもとりあえずスタートを切って、様々な意見がわかった上で考えを整理しブラッシュアップして、次の機会に秀逸な意見を発信したほうが、建設的で、時間効率も良いことにある時気付いたんです。

とても勇気がいることですが、私自身、すごく成長している、っていう実感があります。

OKADA

社会的手抜きを打開した南野選手がとにかくすごい

今回ワールドカップでは、事前の評価や期待値がたかった選手、例えば、ヨーロッパで大活躍している鎌田選手などは、徹底的に研究されていたので、ことごとくつぶされていた印象でした。そうした選手たちが、見えていない部分の動きやケアに徹していたのがとても印象的でした(いち視聴者としては全然活躍してないじゃんってなっちゃいますよね)。南野選手も同じよう動きを研究されていて思うように動けない局面が多かったと思うんです。

1人目のPKキッカーとして、相手キーパーにゴールを阻まれて、2人目以降の選手たちに心理的影響を与えてしまった、と分析されていますが、

立候補制で「自分が1番行きます」はすごい。社会的手抜きはスポーツのプロ選手でも起こると言われているので、きっと誰も手を挙げない時間があったと思うんです。その中で1人目になる重圧、プレッシャーはものすごかったはず。視聴者としてもドキドキしているのが画面越しに伝わってきたように思いました。

結果的に決められなかったことは本人が最も悔いているだろうし、フォローされるのが余計につらくなったりするでしょうが、それよりも一番に名乗りをあげたことが、大きな経験という財産になるだろうし、今後のサッカー人生にとっての成長の原動力になるだろうなって感じます。

最後に

私Okadaは指導者としては、グループの中で自分から主体的にアクションを起こせる人材を育てていくことを中心に、レッスンや個の対応するように意識しています。高校生であれば、大学生や社会人になったときに今やっていることがちゃんとつながるのか、を考えてアプローチをしかけています。

南野選手の姿を見ていて、これが今目の前にいる受講生たちの未来の理想形だな、こういう決断ができる大人になるように指導していこう、と心に決めました。