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Hey, guys. Fukuoka English GymのOkadaです。
英検1級のPart 1語彙問題と言えば超難関で有名ですね。
私自身英語専攻をしていた大学生時代、1級単語帳を使って対策をしていました。ページをめくるたびに知らない単語だらけで心が折れそうになったこと(実際には何度も心が折れた)は何度も。その一番の原因は
「これ実際に使うの?」
という現実味のなさ。常に「1級のためだけの勉強なのかな〜」と疑心暗鬼になりながら対策をしていたことを覚えています。
ただ学生時代の私と同じように英検1級単語対策をしている学習者の皆様に伝えたいこと、
多くの1級単語がリアルに使われる
ということです。だから、今後の人生に活用できると信じて学習を進めてください。
1. 英検1級単語の定番の覚え方(回数とフック)
さて、本題に入る前に、英検1級単語のようなレベルの高い単語の意味を覚える定番の方法を確認しておきましょう。
定番の単語の覚え方
- 単純に触れる回数を増やす
…覚えようとするものを次に目にするのが1ヶ月後ではさすがに記憶に残らないですね。1~2周での定着は難しいでしょう。 - フックを作る
… フックとは記憶を呼び起こすための「ヒント」となるものです。norm →「基準・標準」の変換ができない場合は、norm →「メトロノームのノームだ!」/「normalのnormだ!」/「ノルマだ!」のように思い出すときに心の中にひっかかるものを作っておく方法です。これによりイメージがグッと鮮明になるのです。
有名なフックの作り方
(1) 語源【接頭辞・語根・接尾辞】の活用
…英単語は、接頭辞(prefix) / 語根(root) / 接尾辞(suffix)の3つのパーツに分けられ、総称して「語源」と言われています(「辞」が分かりづらい場合は「語」と理解して下さい)。
例えば、exitのexは「外」という接頭辞。これがわかると、exile「国外追放」、ex-girlfriend「元カノ」 がイメージが鮮明になります。stable「安定した」はableが接尾辞「〜できる or 〜される」、staは語根(=それ以上分解できない語の最小単位のこと、一般的にこれが「語源」と言われる部分)です。standの語源です。sta+able →「立つことができる」→「自立させられる」→「安定した」。個人的な意見ですが、stableならsをとって「table(テーブル)」と考えて四本脚で「安定」って覚えるほうが楽かなと思います(し、私の教え子の皆さんの多くはそうしています)。それでは英検1級の単語で確認しましょう。
e.g. excavate「〜を発掘する」:
ex「外」【exitのex】+cave「洞穴」+ate【動詞化/形容詞化する接尾辞】
→この例なら、接頭辞ex、接尾辞ate。真ん中のcave「洞穴/洞窟」まで把握できればほぼイメージできますね(このcaveが語根というやつです。語源と考えるとよいと思います)。
なお、このパーツの説明は辞書検索の際に発音記号の横に記載されています。ネット検索してもよいでしょう。
(2) パーツに着目する
e.g. excavate:
cave「洞窟」。パーツに分けると面白いほどに知っている語が見つかりますよ。
(3) 音声面から連想する
e.g. propagate「〜を広める」:
「プラポゲイト」→「プロパガンダ」に似てる/スペリングもそっくり→「〜を広める」
*プロパガンダとは「政治的意図を持つ宣伝」のことです
e.g. debunk「〜を暴く」:
bunk「バンク」→ bank「バンク」みたい →銀行→半沢直樹→秘密を暴く→「〜を暴く」
(4) 映像/イラスト化
…知らない単語をgoogleで画像検索する【Google USAの利用がオススメ】。
e.g. plummet「落ちる、急落する」:
→画像検索すると下記(*)のようなものが上位に登場します。アミューズメント施設のウェブサイトのものです。一瞬でイメージが残りますね。自分なりにアレンジしてイラスト化してもいいでしょう。
(5) 例文というコンテクストを入れる
…コンテクスト(文脈)を入れることでざっくりと覚える。
e.g. confiscate「〜を没収する」:
Any cellphone found on school premises was automatically confiscated.
「構内で見つかった携帯電話はいかなるものを自動的に没収された。」
(Source:「英検1級出る順パス単」(旺文社))
(6) 語呂合わせ
…detest「〜をひどく嫌う」:
テストの点数が下がって(=de)大嫌いになった →「〜が大嫌いだ」
*plummetを検索して出てきたimage(画像)
このあたりが最もよく提唱されている方法ですね。
語源の検索について。ネット検索も手軽ですが、Macbookをご利用の方は、"Dictionary(辞書)" のデフォルトにある"New Oxford American Dictionary"を追加しておけば、すぐに検索ができますよ。辞書検索するように単語を入力すると下部に"ORIGIN"という項目がでてきます。そこにざっと記載されています。同じデフォルトの英和辞典は「ウィズダム」になりますが、こちらは記載があったりなかったりします。
また何度繰り返しても覚えられないものは、回数で攻めるのではなく、一旦フックを作る作業をしたほうが速いです。実際私自身もどうしても記憶に残らず、語源で攻めても攻めきれない場合は、語呂を使っています(ちなみに語呂を作るときは1 minite ルールにしてあり、どんなに時間がかかっても1分を超えないように気をつけています。覚える量が膨大な場合は特に何らかのルールづけがおすすめです)
さて、それでは、今回は「例文を使ってコンテクスト」をいれてみます。
2. inaugurateの意味
辞書的な意味
inaugurate
1. (大統領などが)就任する
2. (式典を行い公共施設など)の開所式を行う、新しく開く
3. (新事業)を正式に開始する
語源
augurは「占い師」のことでラテン語由来。国としての重要な行事をするときに占い師に見定めてもらっていたところから。
…大統領の就任といえば国の一大イベントですね。「公共施設」の開所式を行う意味があるのも納得できますね。「公共」つまり国が関わっているということです。
コンテクスト1(単語帳付属の例文[パス単])
The prime minister announced that he would inaugurate anew policy on education.
「首相は教育に関する新政策を正式に開始すると発表した。」(Source:英検1級 でる順パス単(旺文社))
これでかなりイメージが鮮明になりますが、実際に使われるの?!というリアルの欠如が頭をよぎり不安になります。そこでコンテクスト2をご紹介します。
コンテクスト 2(映画/海外ドラマ[White House Down])
Channing TatumとJamie Foxxがダブル主演しているWhite House Downからご紹介します。
Source:White House Down 2013 【1h58mくらいのシーン】
テロリストから銃撃を受けた大統領役のJamie Foxが胸元に入れていた懐中時計に銃弾がささって難を逃れたというシーンのやりとりです。
C: Oh my god. Are you okay?
J: Honest Abe. My wife got this for me. For the inaugration.
C: Are you kidding me? You got shot in the wa--?
J: What I'm telling you is that good old Abe took a second bullet for me.チ:OMG。大丈夫です?
ジ:リンカーンだ。妻がくれたんだ。就任式のために。
チ:うそでしょ! 撃たれたのに...?
ジ:リンカーンが2度目の銃弾をうけとってくれたんだ
*Honest Abe:リンカーン大統領を示すスラング
inaugurationはinaugurateのN.(名詞)です。「大統領などの就任式」「新時代・新政策の開始」という意味です。「就任式」は大統領という職を「本格的に開始する」、新たな政権という新時代の「開始」ということですね。ここまでくるとこの単語がかなり公的なもの、国に関わるようなことにしか使わない単語なのかも、というイメージまでつきますね。英検1級の語彙問題で、英文の意味がよく分からなかったとしても、これらのイメージとinaugurateの意味さえ知っていれば、このバックグランドを元にして問題を解くということもできます。
こちらの映画はNetflixに入っていますので、登録されている場合は、是非視聴してみてください。ホワイトハウスが舞台ということだけあり、フォーマルな表現が多いため、英検1級単語がたくさんでてきます。そして、こういった映画や海外ドラマを視聴していると、英検1級単語帳を覚えていくことの意義が再確認できると思います。
ただし、こういうのってどうやって見つけたらよいの?という疑問が浮かびます。オススメなのは、
①海外ドラマ・映画を視聴する時間量をしっかり確保する
②Google検索をする
■" "で囲んで検索してください。様々な情報(ニュースやネット記事、映画)が登場します。
*" " で囲む検索テクニックはそのままのフレーズを検索したいときに利用します。私自身は英会話教材を作成する際にこのフレーズは自然かな〜?と思ったら、第3者に聞く前に、" " で検索します。ヒット数が少なければnaturalではない、使用頻度が低いと判断できるため、違うフレーズの利用を検討します。
3. フックの作り方は人それぞれ(覚え方に答えはない)
今回は例文というコンテクストでフックを作るイメージをご紹介しましたが、次のようにフックをかけることもできますのでご紹介しておきます。暗記の仕方は人それぞれ。終着点は覚えるということですので。
その他1. 画像検索
inaugurateでGoogleの画像検索すると「除幕式」のimageが大量に上位に表示されます。ハサミでチョキチョキするやつです。公的な儀式です。
その他2. 音楽用語のaugとリンクさせる
音楽の世界で有名な「augument」通称augは、「半音上げる」を指します。したがって、aug「上げる」→「始める」と考えてもよいでしょう。ちなみに、augumentはV(動詞)で「増大させる」の意味もあります。
その他3. 語呂で攻める
- argument(議論)を「始める」
…スペリングのそっくりなargumentから攻める。議論(argument)の中に入る(in)→「始める」 - auguがAugustに類似
…8月のAugustに似ている。日本なら夏休みが終わって9月〜「新学期の始まり」を暗示する月→「始める」
今回は、inaugurateをご紹介しました。
なお、
「就任式」 inauguration ceremony
「就任演説」 inauguration speech
です。アメリカ大統領の就任前後ではニュース記事で大量に見つけられますので、まもなくですね。
本記事をご覧いただき、英検1級単語の学習が実用的なものだとより実感していただけるとうれしいです。
Thanks for reading through this post.
See ya!