学習

症状別英語力改善の科学的アプローチ【第2言語習得論】

2020-04-25

この記事を書いている人:岡田 直也 (The NY Press, Inc.)
岡田

速読力を上げたいなら音読が最短ルート! というのは英語学習の世界ではもはや常識ですが, リスニング力を上げたい場合は何が最短ルートか。または, 相手の言うことは理解できるけれど自分が話すなると数語で詰まるor2文以上はしゃべれない状態はどうすれば改善するのか。科学的アプローチである程度の処方薬は決まっています。音読にも症状別に様々なパターンがあるため併せてご紹介していきます。

【0】まずは大前提:Input → Output

英語教育を語る上で最近やたらと「4技能」を育てようという言葉(Listening, Readingだけじゃなく, SpeakingとWritingも)を耳にすると思います。これは第2言語の習得メカニズムが次のようになっていることによるものです。

解説

英語に限らずインプットしたことはアウトプットして定着し, リアルな場面で使いこなせるようになります。学習で言うならば, 授業を受けて理解(インプット)→解き直しや類題演習(アウトプット)ですが, 英語の主要技能で考えると,Listening聞く・Reading読む(インプット)→Speaking話す・Writing書く(アウトプット)という関係性になります。日本人はインプットで終わるため, 当然話せるようにもならないし, 英語習得は難しい。この図は常に念頭においておいてください。

なお, Listening力はSpeaking力と直結しています。つまり, Speakingを鍛えたい場合はListeningもセットで行う。逆にListeningを鍛えたい場合にSpeakingが不足するのは定着には悪い。Reading力はWriting力と直結しています。さらに, Listening-Writing, Reading-Speakingにもインプットとアウトプットの関連性があります。

さらに, 語彙力と文法力が土台を築きますので, 例えば英会話をしていてこれらが原因でうまくしゃべれないという意識がある場合はこの土台を築きましょう。英会話量をこなしていたらいつか話せるようになる... というのは一定のレベルまでは当てはまりますが, どこかで伸び悩むor頭打ちになります。

 

それでは対処アプローチに進みましょう!


 

【症状1】じっくり読むはOK。スピードありだと頭に入ってこない

スピードを上げると一気に内容が頭に入ってこない経験は誰しもがあるはずです。次のような対処法が科学的に有効です。

① 音読

1素材20~30回を基本とします。数回〜10回程度ではただの回数不足。同じ素材の反復で英語の回路が頭にでき, 処理力が格段に上がります。注意していただきたいのは, この音読をただ「声を出す作業に」ならないように注意しましょう。音読は声を出すために返り読みを強制終了させることができます。この目的は, 戻らなくても左から右に内容が瞬時に理解できるようになることです。したがって, 常に読みながら内容が入ってきていることを実感してプラクティスをしましょう。文構造の処理が苦手な場合は, 文構造だけに集中する回があってもよいでしょう。詳細は下部リンクより。

 

② チャンク音読

… ①が慣れてきたらチャンク音読に移行しましょう。スラッシュリーディングと呼ばれるものです。チャンク(chunk)とは「カタマリ」のことを言います。私たちは日本語を介在させて読解するため, 右から左へ戻る作業を大量にすると思います。特に中高や大学受験で求められる和訳問題はまさにこの作業が必要です。ただし, これがスピードを落としてしまう原因となっています。したがって, 意味のかたまりごとで切って頭に入力の作業を繰り返し, 左→右の処理を自動化できるようにする。これがチャンク音読です。

 

チャンク例(出典:Fukuoka English Gym 教材)

Shohei:
Hey.I’m thinking about whether to start my cashless life. What do you think?

Jack:
It’s, umm, super convenient. I pay for almost everything with my smartphone. Sometimes I am in kind of trouble, like when I have to leave a cash tip. But the advantages outweigh such disadvantages. And I feel like contributing to our society.

Shohei:
Hey. // I’m thinking about /  whether to start / my cashless life.//  What do you think?//
ねえ。// 考えているんだ / 始めるかどうか / キャッシュレスライフを // どう思う?

Jack:
It’s,/ umm,/ super convenient. // I pay / for almost everything / with my smartphone.// Sometimes / I am / in kind of trouble /, like / when I have to leave a cash tip. // But / the advantages / outweigh /such disadvantages. // And I feel like / contributing to our society //.
それは / えっとね / 超便利だぜ // 私は払ってる / ほぼ全部のものに / スマホを使って // 時々 / 私は / なんとなく困っていて / そうね例えば / 現金チップをおいていかなきゃいけないときとか // だけどさ / メリットは上だよ / そういうデメリットより // それになんとなく感じているんだ / 社会に貢献しているって //

*// :文の切れ目

 

【解説】英語圏の人々は上記のようにかたまりごとに意味を把握しています。だからリスニングも聞いたままの順番で内容把握ができます。私を含めて通訳者はこのような練習を瞬発力を鍛えるために実践しており, サイト・トランスレーションと呼ばれています。sight「見て」→translation「翻訳」ということです。もちろん, 実際にスラッシュを引くことは一切なく, 頭の中で処理します。初心者~中級者の方はチャンクの識別トレーニングにもなりますので, なれるまでスラッシュはひいていきましょう。

 

【チャンクの分け方】

チャンクの分け方に決まりはありません。かたまりごとで意味理解をしていくという主旨のものですので, 人それぞれ違います。しかし大凡の目安となる考え方があります。

①主語(S)のかたまり
②動詞(V)のかたまり
③形容詞のかたまり
④副詞のかたまり … 前置詞+名詞など
⑤<①②が短い場合>主語(S)+動詞(V)のかたまり

I pay for almost everything with my smartphone.

I pay(SVのかたまり)
for almost everything(副詞のかたまり)
with my smartphone(副詞のかたまり)

他にも,
⑥to doの前後 … ①③④に該当
⑦接続詞の前
⑧挿入
⑨関係詞
⑩O(長い目的語)
⑪句読点の前

このようにある程度品詞の知識が必要になってきますので, 中学英語に一旦かえってみるとよいでしょう。

 

③ コンテンツシャドーイング

シャドーイングとは, 聞こえたきた音声を何も見ずに追いかけながら声に出すトレーニングです。

(イメージ)
教材音声:I pay for almost everything with my smartphone.
私   :   I  pay for    almost      everything with  my    smartphone.

あまり知られていないのですが, シャドーイングには2種類あります。

2種類のシャドーイング

1) プロソディーシャドーイング
… 音声理解重視 → 発音・イントネーション・音声処理スピードUP!
2) コンテンツシャドーイング
… 意味理解 → 英語処理スピードが素早く内容理解できる!

このうちの 2)を実践するわけです。ただし, 実際には突然2)は難しいので, オーバーラッピングや音読 → 1) →2) の順番がオススメです。これにより英語脳に変化します。

 

岡田
なぜ, 英語脳に変化するのか, なぜ英語処理スピードが高まるのかについては, 「【症状3】リスニングが苦手」をご覧ください。シャドーイングや音読をしない学習が英語学習とは言えないことがお分かりいただけるはずです。

 

語彙力がない場合

そもそも, 単純に表現力や語彙が不足していてこの症状が現れている場合があります。

(例) 会話で次のような表現が自然と使われます
blockbuster
→ 大ヒット作
I'm into ~
→ 〜にはまっているんだ

改善策

ボキャブラリービルディングを日々の習慣にすることです
(方法1) 単語帳の利用
… 英会話をできるようになることを目的とする場合は Duo がオススメ
(方法2) 素材の中から拾う
... 使用教材で登場したものを覚えていく
(方法3) アプリ利用
... DMM英会話iKnow!


以下①〜③

1文1文の構造把握が苦手な場合

改善策

(1)中学レベルの文法力をつける
(2)文構造の把握をする

(例)
Once your package【S】  is shipped【V】, the status【S】 will be changed【V】 to "Shipped."【M】
→文法知識:「Onceは(従位)接続詞だ」+ 文構造:Once SV, SV.「いったん〜すると, …」
*package「荷物」, ship「出荷する」

使用教材は上記のように1文単位での構造分析(SやV, 修飾の有無など)をしっかり行う。まずは黙読で, その後, 書き込みのない状態で瞬時に構造が分かるまで反復する。このためには(1)中学レベルの文法力が必要になってきます。

以下①〜③

 


 

【症状2】相手の言っていることは理解できるが話せない

これは(私を含めて)日本人に特に顕著な症状ですね。

① パターンプラクティス

中学生の時に, "私は将来〜したい" = I want to ~ in the future." という型を習い, その後 "~" に色々なものを当てはめてペアレッスンをした記憶がある人も多いと思いますが, これがパターンプラクティス。これが必要なんです。 このパターンのストックが多ければ多いほど, あとは組み替えればいいだけなので, すぐに言いたいことを言えるし, 1回の発言でたくさんの量が話せます。語ではなく文単位にするのがポイントです。

 

② シチュエーション別の表現・語彙

 

<Practice> 次の日本文を英語にしてください。

その映画の主演はJohnny Deppだよ。
そのテレビドラマシリーズにはJohnny Deppが出演しているよ。

This movie stars Johnny Depp.
Johnny Depp is in that TV series.

どうでしたか?そもそも映画について語る際に必要な表現を知らなければ話したくても話しようがありません。このような表現や語彙をシチュエーションごとにマスターしていくのです。体系的に学習することで話せるシチュエーションを増やしていきましょう。

 

③ 日→英の瞬間変換プラクティス

英語→英語の処理とは言えど, ある一定のレベルまでは, 日本語で言いたいことが浮かぶ→英語に変換 というプロセスを踏みます。したがって, この変換スピードを高速にする練習が不可欠です。暗唱する英文と日本文の決定をしたら, 日本語だけを見て, 自然と英語が口について出るまで反復しましょう。英会話スクールレッスンを受講されている方はコチラの記事「オンライン英会話の活用術(基礎編)」をご参考に。

イメージ

日本語
実は, シンガポールに住んでいたんだ, 若い時。だからコミュニケーションは簡単だよ, 英語での。
↓(変換)
英語
Actually, I lived in Singapore when I was young. That's why it's easy to communicate in English.

 

*ここでもパターンプラクティスできるものを選択するのがオススメです。上記イメージでは,

型)
実は~なんだ。だから…なんだよ。
Actually, 〜 . That's why … .
↓(中身を置き換えれば他のシチュエーションに活用可能)
型の応用)
実は, 先月試験に落ちたんだ。だから進級できないんだ。
Actually, I failed the test last month. That's why I can't be promoted to the next grade.

 

私の経験上, ①②は独学ではかなり難しいと思います。コストはかかりますが, 必要経費だと思って, 英会話スクールレッスンの受講がオススメです。

 

④ コンテンツシャドーイング

ラプソディシャドーイング(スクリプトなしでの音のモノマネ)がある程度できるようになったら, コンテンツシャドーイングに移行し, さらに負荷をかけてください。Speakingを高速でするための処理能力が頭の中で出来上がります。

⑤ リアルに話す量(アウトプット量)を増やす

そもそも, 実際に話す機会がなければ, いくら音読してもシャドーイングしても話せるようにならないでしょう。インプット:アウトプットの黄金比は3:7とされていますが, 日本人はこの割合は 10:0か9:1になっていると言われています。英語で英語の授業をすることが必須となっている高等学校の授業でさえも, 9割日本語の説明, 1割が英語, 生徒が英語で話すのは0.5割くらいとなっているようです。さすがにこれではSpeakingをできるようにならないですね。少なくとも, 週2回は実際に話す機会を設けましょう。英会話スクール, 留学生, サークル, SNSなどを利用して外国人と話す時間を確保しましょう。話せるようになるためにはそもそも実際に話す環境を作り上げることを最低限忘れないようにしましょう


 

【症状3】リスニングが苦手

こちらも日本人によく起こる現象。文にしたら結構読める。けれど同じ文を聞くとなると入ってこない。まずは大前提となる音声知覚・意味理解という仕組みから理解しておきましょう。

解説

リスニングは「音声知覚(=音の聞き取り)」と「意味理解(=意味の理解)」の両輪で成り立っています。例えば, modelを「モデル」と思ってリスニングした場合, 実際の「マドー」に反応できません。予想する音声とリアルな音声のギャップが生じているわけです。当然, 音声トレーニングが不可欠です。一方, 意味理解とはそもそもの語彙・表現力・文法力の有無に左右されます。例えば,  Sometimes I am in kind of trouble, like when I have to leave a cash tip.(時々何か困っちゃんだ, 例えば現金でチップをおいておかなきゃいけないときとかさ。)を読んで, 内容が理解できないのなら, 聞いても無理でしょう。kind of「なんか」, like「例えば / えっと」という表現や, when  SV(〜するとき)という文法構造の理解が必要ですね。

シャドーイングで音声知覚処理力が上がれば, 意味が入ってくるようになる

リスニングが苦手な場合の脳内は, 音声が入ってきた時点でその処理【=音声知覚の処理。つまり, 音の聞き取りの作業】を一生懸命を行おうとします。その結果, 本来必要な意味の理解のスピードが追いつかなくなります。これが, リスニングしても内容が入ってこない, という現象の1つの理由です。シャドーイングを行うと, 音声処理が高速化するため, 結果脳が意味理解に多くの時間を割くことができるようになります。音読もこれに近い現象は起きますが, シャドーイングほど最強のものはありません。中高ではどの先生も音読・シャドーイングは絶対!!とすすめてくると思いますが, こういった原理があるためです。私個人の感覚としては, 音読・シャドーイングをしていないのであれば, もはや英語学習ではない, と考えています。

これらを念頭においた対処方法。

 

●パターン1:音声知覚が原因の場合(音が聞けない人の場合)

① 音のルール習得
model なら Dark Lルール(=語末のlは「オ」の発音)が適用されます。こういったルールを習得しましょう。

②オーバーラッピング
スクリプトを見ながら音声にかぶせて音読をします。発音が異なっていれば, 教材音声がたくさん聞こえてきます。一致していれば, 自分の声と教材の声が重複するため, 教材音声があまり聞こえてきません。

③ ディクテーション
聞いた音声を書き取る練習です。

④音読
日々の習慣にしましょう。歯磨きの代わりに, 新聞を読む代わりに, インスタをチェックする代わりに。日々行っている習慣と同等の価値をおいて生活に取り込むことをオススメします。

⑤プロソディーシャドーイング
音のモノマネに焦点を当てたシャドーイング。②や④の後に取り入れると負荷が過剰になりすぎません。

 

●パターン2:意味理解が原因の場合(そもそも文にしたら読めない人の場合)

①語彙・表現習得
blockbuster → 大ヒット作
I'm into ~   → 〜にはまっているんだ

②文法習得&英文を正しく読めるようにする
中学レベルの文法を習得することで正しく文構造を把握できるようになります。まずは黙読で正しく読めることを目指しましょう。

 

【Practice】次の英文を理解できるか確認してみましょう。

(海外のショッピングサイトから私が受け取ったメッセージ)
Once your package is shipped, the status will be changed to "Shipped," and you will be able to track your package by logging into your customer account, or clicking on the link in the shipment notification email.

サブ
<Once【接「いったん〜すると」】 your package【S】 is shipped【V】, >
「いったんお客様の荷物が出荷されると」
メイン①
the status【S】 will be changed【V】 to "Shipped,"【M】
「ステータスが「出荷済み」に変わるでしょう」
and 【前後のSVを並列】
メイン②
you【S】 will be able to track【V】 your package【O】
「荷物を追跡できるでしょう」
メイン②のサブ
by logging into your customer account,
or 【logging ~ と clicking ~ を並列】
clicking on the link in the shipment notification email.
「お客様のアカウントにログインすることによって, または, 出荷通知メールのリンクをクリックすることによって」

中学レベルでこのような分析がさらっとできるようになることで②の点での意味理解は改善します。

 

●パターン1と2共通:情報構造にも気を配る

英文を読む際に次のことも意識しましょう。

【1】前[頭]から情報ブロックをとらえられるようにする

 1) 具体化標識の利用

リスニングで内容を忘れるのは, 前への返り読み(右から左に戻る)が習慣化していることが原因の1つです。次のように, 具体化標識に気づき, 左から右へ処理できるようになると, 英語思考が染みつき, 記憶が残りやすくなります(=最新研究では, リテンション力<内容を思い出す力>が具体標識を意識することで高まるとされています。)これは読解力を高めるのに効果大です。

<Practice >

I like Japanese food such as sushi and tempura.

 


× I like Japanese food such as sushi and tempura.
私は寿司や天ぷらのような日本食が好きだ。
I like Japanese food such as sushi and tempura.
私は日本食が好きだ。例えば, 寿司と天ぷらだ。
情報ブロック1          情報ブロック2<具体>

*such asは具体例の提示をする際に利用されます。おそらく多くの学習者は具体例といえば, For exampleのようなイメージがあると思いますが, 実際には, 「固有名詞」「数字」「発言」「研究」「If ~」がFor exampleの役割を果たします。会話であれば, likeが頻繁に使用されます。このような候補を増やしていくことで具体に気づけるようになります。

 

2) 意味のかたまりを意識

これはチャンクよりももっと大きなかたまりで, 主張や具体, 結論などの論理展開の意識です。

<Practice>次の文を論理的なブロックに分けてください。

A big bowl of milk and cereal can be a great way to start the day. Many breakfast cereals and snack bars contain nutrients that help our bodies stay strong and healthy. But some of these foods are packed with too many vitamins and minerals. According to a new study by the Environmental Working Group (EWG), this extra nutrition may be more harmful than helpful.

 

A big bowl of milk and cereal can be a great way to start the day. Many breakfast cereals and snack bars contain nutrients that help our bodies stay strong and healthy. But some of these foods are packed with too many vitamins and minerals. According to a new study by the Environmental Working Group (EWG), this extra nutrition may be more harmful than helpful.

<大きな意味のかたまり>

①導入・前置き(Introduction)→ ②主張 → ③主張の裏付け

※今回の③は研究が示すことなので主張の裏付けとなりますが, ほぼ主張と同等の内容になっています(②③をワンセットで主張と考えてもOK)

<小さな意味のかたまり②の場合【=これがチャンク】>

some of these foods are packed with →  too many vitamins and minerals.
「これらの食べ物の一部はいっぱいだ」 →「あまりにも多くのビタミンとミネラルで」

 

日本語訳)
①ミルクとシリアルの入った大きなボウルは一日を始めるのに最適な方法です。多くの朝食用シリアルやスナックバーには私たちの体を強く健康に保つのに役立つ栄養素が含まれています。しかし, これらの食品の一部にはあまりにも多くのビタミンやミネラルが詰め込まれています。環境ワーキンググループ(EWG)による新しい研究によると, この余分な栄養は役立つというよりも有害である可能性があるのです。

 

・もっと詳しく知りたい: ①具体標識   ②パラグラフの論理  ③本文全体の論理

 

【症状4】発音が苦手・ネイティブっぽくない

【症状3】の「音声知覚が原因の場合」と同じです。

① 音のルール習得

I like him. のhimは「イム」に聞こえます。これは「ElisionまたはReduction」という「脱落音」の現象で, 文中に登場するhやthで始まる語のh, thが消えるか, 弱くなるというものです。海外映画・ドラマの字幕では I got them. が I got 'em となっていたりするのはこのためです。

② リッスン&リピート

文字通り, まず音声を聞いて, スクリプトを見ながらまねる。

慣れてきたら, 音声を聞いた後, スクリプトを見ずにまねてください。非常に負荷がかかり頭を使ってる感覚があると思いますが, 定着度が倍速します。

1度にうまくできるまで(目安:合計5~10回程度)こなしましょう。

③ オーバーラッピング

スクリプトを見ながら音声にかぶせて音読する。

④ ディクテーション

書いてみることで初めて, 自分な苦手な音や音のつながりが発見できます。これは「書く」ということのメリットです。やってみると分かりますが, 毎回共通の間違いをすることに気づきます。それらが実際の会話で聞き取れない原因となります。

⑤ 音読

1素材20~30回がデフォルトと考えましょう。

⑥ プロソディーシャドーイング

発音やイントネーションのみに焦点を当てるシャドーイングです。あまりにも難しいようであれば, (1)②③⑤の後にする【これがオススメ】 (2)アプリでスピードを落とす【オススメはAudipo。私もスピードを落として練習することあります】

⑦ 教材はリアルなもの

TOEICなどの音声は正式なものがほとんどでしっかりはっきり発音してくれます。What's up?は正式には「ワッツアップ」ですが, リアルな場面では「ワダ」ってなります。正式な教材だとこのギャップを埋めようがないのです。したがって, 映画や海外ドラマなどリアルなものを毎日観る・聞く習慣を持つか, 教材として利用することをオススメします。リアルなものがどうしても使いこせない場合は英会話スクールでのレッスン受講がオススメです。


 

【症状5】音の聞き取りはOKだが, 理解が追いつかない

リスニング時に聞き取りは結構できるのに, 内容が入ってこない, または, 進むにつれて取り残されてしまう, という現象はよく起きますよね。この症状は【症状1】と同じプロセスを踏めばOKです。

① 音読

1素材20~30回がデフォルトと考えましょう。

② チャンク音読

①に慣れたら, かたまりごとに意味を捉える訓練に移行し, 瞬発力を鍛えていきましょう。

③ コンテンツシャドーイング

音読, ラプソディシャドーイング(スクリプトなしでの音のモノマネ)がある程度できるようになったら, コンテンツシャドーイングに移行し, さらに負荷をかけてください。


 

【症状6】文が読めない

【症状1】の【語彙力がない場合】と【1文1文の構造把握が苦手な場合】と同様です。

構造把握は文法知識と直結しますので, 文の組み立てがいつもうまくいかない場合は, 一度中学英語を総整理してみるとよいでしょう。また,  会話では会話特有の型を把握していないことが文が読めない原因となっている場合も考えられますので, パターンプラクティスも有効です。例えば, The thing is, SV. は「問題なのは 〜ということなんだよ」。The thing is that S V. のthatが消え, is直後にcommaがおかれた特殊な表現です。直訳して「そのことは, SがVする」と解釈するといつまでたっても正しく読むのは難しいでしょう。また, I'm obsessed with ~ は「〜にはまっている」という表現です。高校生向け単語帳にはobsession「強迫観念, 執着」とあるため, ものすごく嫌なイメージを伴いそうですが, 「ドはまりしている」文脈に自由に使えます。

中学英文法の総復習にオススメの教材

Essential Grammar in Use with Answers and Interactive eBook: A Self-Study Reference and Practice Book for Elementary Learners of English

中学校3年間の英語が1冊でしっかりわかる本

*アウトプット重視で攻めたい方は中学校3年間の英語が1冊でしっかり分かる問題集 がオススメ。私自身受講生にはそちらを利用してもらい, 厳しいようであれば, 「中学〜わかる本」の併用をオススメしています。

 

 

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